ライトノベル感想

「週に一度クラスメイトを買う話~ふたりの時間、言い訳の五千円~」2巻感想~さらに縮まる2人の距離~

はじめに

こんにちは、トビです

今回紹介する作品は、羽田宇佐先生著、U35先生画の「週に一度クラスメイトを買う話~ふたりの時間、言い訳の五千円~」2巻です。遅くなってしまった。

内容としては基本は1巻と同じで、宮城と仙台さんが宮城の部屋で命令したり、プチ喧嘩し合ったりする話です。

しかし、今巻は1巻よりも2人の距離が近くなっているのをすごく感じました。1巻のラストの流れからしたらまあ近くなりますよね。

そして夏休み、家庭教師として宮城の家に行くことになった仙台さん。今まで制服で会っていて、私服で会うのは外だと思っていたのでこの流れには驚きました。

今巻についても何度も読み返して2人の心情と関係性を見て言っているのですが、相変わらず難しい。

コレが思春期特有の心の動きでしょうか。ここまでこじれていたかな。

嫌いな訳では無い、むしろ好きな方。でも友達ではないから遊ばない。一方でキスとかするのは嫌じゃない。難しい。

2人とも相手に対する好意を持て余しているように感じます。その結果それぞれ少し(?)行き過ぎた行動に言っているような気がします。心の動きって難しい。

こういう王道じゃない作品というのも新鮮に感じられるのでとても好きです。

そうしてお互いが相手をどう思っているのか自分でも整理がつかないまま、五千円を通じて交流を重ねていく2人。

高校生活の卒業が近づいていく中、2人の関係性がどのように落ち着くのか更に楽しみになりました。

この作品がオススメな人

  • 不健全な交流が好きな人
  • 会話劇が好きな人
  • 普通とは違う百合作品が読みたい人

作品名週に一度クラスメイトを買う話2 ~ふたりの時間、言い訳の五千円~
作者羽田宇佐
イラストU35
発行日2023年6月20日
定価792円(税込)
発行株式会社KADOKAWA(ファンタジア文庫)

あらすじ

5月にキスをした後も、五千円での交流を続けていた宮城と仙台さん。しかし、その心の中はそれまでと少しずつ変わってきていた。

そんな中、夏休みにも家庭教師として宮城の家に来るといった仙台さん。

学校の後でもなく、自分から呼んだわけでもない、そんな今までと違う関わり方となり、戸惑う宮城。

お互いどう思っているのか、どんな関係になっていきたいのかわからない2人。

それでもゆっくりと、でも確実に2人の関係性は変化していく…。

そんな話となっています。

感想(内容に触れて)

宮城サイド

先に、2人の心情を読みづらいと言ってしまっていますが、それぞれの相手のことをどう思っているのかについて内容に触れつつ感想を述べたいと思います。

今巻の宮城ですが、今巻を通して、「仙台さんへの独占欲」と、「仙台さんに好き勝手されたくない」という気持ちがずっと渦巻いているように感じました。

キスをして以来、仙台さんのことを考えることが多くなっている宮城。それと比例するように命令についても過激になっています。

舐めるやキスマークまでは1巻でもしていた内容ですが、さらに手を縛ったり、目隠しをしたりしています。もはやそういうプレイに見えてきてしまう。

2つ目の好き勝手されたくないというのにもかかっていますが、こうした縛るということは独占欲が強いと感じました。

自分しか知らない仙台さんを知っているという優越感と、この仙台さんと一緒にいたい、いてほしいという気持ちが混じっているんじゃないかと思います。

その結果がキスをしたい、触れたいという気持ちですし、「友達ごっこ」のときの仙台さんが嫌ということになると思っています。

後は、宮城が寂しがりやというのもこの縛るとかその行動に出ていると思います。

恋愛的には、寂しがりやはかまってほしいとのことので、相手を束縛するということらしいので、そういう意味合いもあるかと思います。というか宮城は多分当てはまる。

好き勝手されたくないはその通り、仙台さんに推されっぱなしだからですね。

前回のキスも仙台さんがそうなるように仕向けましたし、今回の家庭教師についても仙台さんの提案です。

自分の空間で仙台さんの言う通りになっていくのが面白くなかったんでしょう。

改めて書くとすごくメンヘラ彼女っぽい…。でも「宮城だし」で納得できてしまうのやっぱり宮城。

この関係の終わりが近づいた時、どう反応するのか、注目していきたいです。

仙台さんサイド

一方の仙台さんですが、割と直球で宮城への好意を出しているように感じました

というか、もはや恋愛感情になっているようにも感じました。もう表紙から攻めの雰囲気が強い。

自分から積極的にキスをしようとしていましたし、距離感を縮めようとしているような言動が多かったのが印象に残りました。

それでも嫌な命令にははっきりと嫌と言っていますが。(当然)もう少し抵抗しても良さそうですけどね。

それに自分から「家庭教師をする」と言っているのも、宮城と一緒にいる時間を増やしたいのかと思いました。本人はそう思っているのか自分でも疑問に感じていましたが。

家庭の環境だったり、友達関係で色々と抱え込んでいたときに、宮城という自分の素で接することができる人がいるというのは、仙台さんが考えている以上に救われていたんじゃないかと思います。

宮城のように依存しているというわけではないですが、宮城以上に「そういう関係」になりたいと思っているように感じました。

というか最後、ずっと宮城のことを考えている時点で、「そういう関係」なりたいと思っていると感じました。

それを否定する言い訳をずっと続けていると考えると、より仙台さんが可愛く感じてきました。

この関係の期限が近づいていく中、仙台さんはどう行動していくのか…。宮城からはおそらく行動しないと思うので仙台さんから動くんじゃないかと思っています。

勝手なイメージとして、宮城は嫌だと思いつつも結局飲み込むイメージで、仙台さんは最初は受け入れつつやっぱり受け入れられないと反抗するイメージ。

家庭環境とか周りのことを考えると、最後らへんで仙台さんが宮城に気持ちを爆発させそうだと勝手に考えています。妄想が入っており、申し訳ない。

仙台産が最終的にどのような行動をするのか、楽しみです。

おわりに

ということで「週に一度クラスメイトを買う話」2巻の紹介・感想でした。

相変わらずめんどくさい2人という感じでした。

個人的なポイントとしては

  • 家庭教師を名乗り出る仙台さん(第3話)
  • 家庭教師の終わりにキスをした仙台さん(第4話)
  • 髪をいい感じにして欲しい宮城(第10話)

です。家庭教師を名乗り出たときからの攻めが強い仙台さんが好きでしたね。

髪をいい感じにしてほしい宮城もめんどくさいけど可愛いです。髪を触らせてもいいというのは親しい間柄出ないと不快なので、仙台さんのことがかなり好きなことを改めて感じました。

ついにはっきりとこの関係の期限が決まった2人。

時間の速さ的に次の3巻で一区切りがつくのか、それとも一つ一つ丁寧にしていくのか。どちらでも面白そうです。

五千円から繋がった関係性がどうなるのか、これからも楽しみです。

あとがき

ところで今回一応体育祭という、普通の学園モノとかなら必ず触れられるようなイベントがいつの間にか終わっていました。

確かに今作の特性上、学校のイベントとかは関係ないので、スルーされるのは仕方ないですが、現役高校生がメインでここまでスルーされるのは珍しいなと思いました。

2人にとっては学校ではなく宮城の家(部屋)が今の生活で中心になっている場所、ということを表しているのかと思いました。

さて、今巻で特に好きなイラストは第10話です。

個人的なポイントとしても出した「髪をいい感じにしてほしい宮城」です。

このときの少し照れている様な、恥ずかしがっているような宮城がかなり可愛くて個人的にぐっと来ました。

このときの仙台さんもすごく大人っぽい表情でこっちはどちらかというと美しいという感じでしたね。

最初と比べてここまで距離感が近くなったんだなと、改めて感じたイラストでもありました。

いつも美しいイラストをありがとうございますU35先生。

それではまた次の作品で。

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ABOUT ME
トビ
1996年12月4日 長崎県生まれ長崎県育ち。 現在長崎市在住の会社員。 小学生のときからライトノベルやマンガ、アニメが好きでした。 ライトノベル作家や漫画家の先生を少しでも応援したいと思いブログを始めました。 いろんな感想を語り合いたいと思っています。 ちなみにプロフィール写真は私が作ったケーキです。 お菓子は作るのも食べるのも好きです。 甘いものは正義。 よろしくお願いいたします。

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