1. はじめに
こんにちは、トビです。
今回紹介するのは矢村いち先生の「声がだせない少女は「彼女が優しすぎる」と思っている」10巻です。1巻からの紹介ではなくてすみません。
新しいキャラクターは増えますが基本、短編的な話が多いので、新しく読まれた方も入りやすいと思います。
話の内容が終盤に差し掛かっている感じがします。それぞれが先延ばしにしていたものを回収しているように思いますね。
続きがどうなるとしても応援していきたい作品ですね。
おすすめポイント
- イケメン心崎さん再び
- バレンタイン大作戦
- 真白の誕生日大作戦
作品名 | 「声がだせない少女は「彼女が優しすぎる」と思っている」 |
作者 | 矢村いち |
発行日 | 2023年4月7日 |
定価 | 726円(税込) |
出版 | 秋田書店(少年チャンピオン・コミックス) |
2. あらすじ
一生忘れられない誕生日。
みんなから真白へ心をこめたサプライズ。
バレンタインに進路の話、
ほかにもイベント目白押しな3学期
お菓子を作ったり、ちょっとした仲違いがあったり、
意外な一面を知ったり。
かけがえのない毎日を過ごして気づけば真白の誕生日。
皆の気持ちあふれる素敵な1日の始まりです。
(引用元:「声がだせない少女は「彼女が優しすぎる」と思っている」10巻あらすじより)
3. 感想
「心の声」が聞こえない心崎さん
人の「心の声」が聞こえる心崎。しかし今回、とある事故が原因で心の声が聞こえなくなります。
ずっと心の声が聞こえることが嫌だった心崎は、急になくなったことで戸惑いますが、聞こえないことはいいことと思っていました。
しかし、いつも聞こえていた失声症の真白の声まで聞こえなくなったことにより、「いつも通り」過ごせるか不安になります。
また心の声が聞こえなくなったことで他の人の本心がわからなくなり、全てを疑ってしまいます。
他の人にとっては心の声が聞こえないことは普通でも、心崎に取ってはそれが普通ではないことのため、普通の人の人との関わり方にすごいと感じます。
このときの心崎の表現がすごくいいです。
『相手を信じて関わっているのか』
(『声が出せない少女は「彼女が優しすぎる」と思っている』10巻より引用)
人との関わりは相手を信用して初めて成り立つものなのかと感じました。
私自身、相手の発言や本心を疑ってしまうことがあります。でもそういうときは大抵うまくコミュニケーションが取れていない気がします。
相手を信じて関わるということは、相手とのいい関係を作る上で最初の一歩なのかもしれません。
心崎は心の声が聞こえなくなっているため、人と接することが少し怖くなります。
しかし、友人の大学生の習志野にバカにされることには耐えられないと思い、普通の人のように人と接することを頑張ります。習志野に対する完全な冤罪ですが。
心崎は聞こえないことから周りの行動をよく見るようになっています。心の声で状況がわからないためその分周りの観察をしているのかと思いました。
その結果、転けそうになった人を助ける、落とし物をひろうなどのスパダリぶりを披露します。
以前の巻で文化祭で主役をしたときもファンができていましたが、それと同じくらいの勢いでファンが増えていっているような気がします。
離していた心の距離を物理的な距離で埋めていっている感じがして面白かったです。
中村がいった『人との距離感がいつもと比べて…』にショックを受けている心崎さん面白い。
そして『すごく(一部に)人気』とこころで思っている中村。そっちも言ってあげなさいよ。
いつも以上に距離を取られる(遠くから見守られている)のか完全にアイドルとファンの関係ですね。そろそろファンクラブできてそう。
そんないつもと違う一日を過ごしたことでいつも以上に疲れた心崎。そこに真白が心配して声をかけます。
ここで心崎は今日一日で感じた思いを友人の話として話します。
ここでずっと避けていた人付き合いを改めて「頑張る」と宣言するのが、今のつながりが大切ということも感じられて良かったです。
その本心を真白にだけ話すというのも、真白が純粋に心配していると信じているというのもいいですね。真白に心を許している心崎さん可愛い。
ちなみにこの後また心の声が聞こえるようになります。本当に一時的に聞こえなくなっていただけなのか気になりますね。(これは本筋ではないのであまり言及されないと思いますが。)
気持ちのこもったお菓子を
色々あって気がついたらもうすぐバレンタインデー。クラスでもその話題となっていて友チョコ交換をすることになります。
本編では真白のお菓子作りの過程が描かれてており、今巻のおまけで心崎のお菓子づくりの過程が描かれています。
まさかのどっちも料理下手。真白はダークマターを作る系女子でしたか…。スイートポテト作ろうとして炭には並んと思いますよ。
そして心崎は習志野にお菓子作りを学びます。こっちもこっちで出来上がりが崩れるという現象が続きます。いっそ猫はやめた方が良かったのでは。猫顔は難しいと思いますよ。
それでもちゃんと手作りのお菓子を持っていこうとするあたり2人ともすごいですね。
そして当日。真白は心崎がチョコを貰っているところを目にします。いくらイベントだからって推しに直接渡しに来るの強くないですかね。
しかも作ってきたお菓子のクオリティも高い。手作りの偏差値高すぎじゃないですかね。
そんなところをみて真白は自分のお菓子のクオリティが低いことを気にして渡せなくなり、逃げ出します。
真白を追いかけた心崎は習志野と作った猫のクッキーを渡します。それは他の人に渡したものと違い、歪なものでした。しかし、心崎は自分の手で作ったものを真白に渡します。
真白はそれでも渡すことに抵抗がありましたが、心崎の棒読みゼリフ(おい)を聞いて渡します。
お互い不格好だと笑い他の友だちに渡しに行きます。
こうやって心のこもったお菓子を友達にあげるのはいいですね。
最近自分で作るお菓子は全部自分で食べているのでたまには配っておすそ分けしてもいいかなと思いました。
真白の誕生日
誕生日おめでとう‼(違う)から始まり、真白の誕生日を祝うために動物園に行くことになります。
大宮・土屋コンビ実際にいたら苦手かもしれませんが見てる分には面白いです。なぜ誕生日をうろ覚えで祝おうとしたのか…
改めてみると7人で行動するって多いですね。いつの間にかいろんなつながりができててなんか感動します。
しかし、ここで大宮・土屋コンビに加え、日影・立花コンビの4人が不審な動きをします。
誕生日ミスを挽回するため、真白のサプライズを遊園地で行おうと考えます。
その名も『「誕生日だ!イエーイ!サプライズ☆」作戦』です。まんまじゃねえか。
というか心崎だけじゃなく中村まで巻き込まれているの面白いですね。この3人はグループ扱いなんでしょうね。さすが初期メン(習志野は不参加+大学生のため数から外しています)
バレンタインのときも心崎は中村の言葉でショックを受けていましたし、中村には心を許している気がしますね。なんだかんだこの巻でも遊んだり声かけたりしていますし。
ちなみに個人的な推しも中村です。以外に人間関係が不器用なところとか好きです。
作戦により、真白は遊園地でいろいろなプレゼントをうけます。
友達からたくさん祝われて真白は本当に幸せものだと思いました。
この関係は真白が築いてきたものなので、これまで頑張ってきた結果がこの誕生日だと思います。
でもやっぱり最後は心崎です。真白の「ありがとう」余さず広げていくところは真白が考えていることを、したいことを出させたい。という思いを感じてすごく癒やされました。
4. 終わりに
ということで「声が出せない少女は「彼女が優しすぎる」と思っている」10巻の感想でした。
冒頭にも書きましたが、終わりに向かっているように感じます。2人の関係性はどうなるのか楽しみです。
また、今回進路のことにも触れられていましたので、将来はどうするのかということにも触れると思います。
みんなが将来のことをどう考えているのかも知りたいですね。
この作品。登場人物みんな良い人ばかりなので心がかなり癒やされます。平和な世界で幸せになれますね。
人間関係に疲れたときや、癒やしがほしいときはぜひ読んでほしい作品ですね。
それではまた次の作品で。
あとがき
単行本とかであるおまけのイラストとかって真面目なものから面白いものもあって探すのが楽しみです。
今回カバーしたのラフ画とかも私は好きなのでかなり楽しめました。133話の扉絵のラフ画が好きです。照れてる心崎さんの感じがラフ画でしっかり出ています。
こういう画を見せていただけるとありがたいですね。本編とあわせて2度美味しい。
これからもカバー下を見ていきます。(なんの宣言でしょうね)