はじめに
こんにちは、トビです。
今回紹介するのは鴉ぴえろ先生著、きさらぎゆり先生画の「転生王女天才令嬢の魔法革命」3巻です。アニメ最終話の範囲ですね。
アニスとユフィのそれぞれの葛藤から最後の展開まで最高でした。もうそのまま幸せになって欲しい。
譲れないお互いの思いをぶつけるバトルは互いが互いを思っているのが感じられました。
国王と王妃のアニスに対する思いも伝わってきてアニスが愛されていることが伝わってきて良かったです。
2巻のラストからずっと思い展開が続いたのでこの開放感は気持ちいいですね。
そうした色んな思いが溢れ出す今巻はタイトルの魔法革命が始まるプロローグです。
これから始まる物語にも期待をしたいところです。
作品名 | 転生王女と天才令嬢の魔法革命 |
作者 | 鴉ぴえろ |
イラスト | きさらぎゆり |
発売日 | 2021年1月20日 |
定価 | 792円(税込) |
出版 | ㈱KADOKAWA(ファンタジア文庫) |
あらすじ
弟・アルガルドの国を巻き込む陰謀を天才令嬢・ユフィリアと共に打ち破った転生王女・アニスフィア。その結果、彼女に王位継承権が復権することになり多忙な毎日に。
疲弊していくアニスフィアをそばで見ていた湯フィリアは、彼女のため自分が王になる道を模索するようになってーー
「私は、どんなに受け入れられなくたってこの国の王女なの!」
「私が王になれば、貴女の夢を守ることが出来ます!」
婚約破棄から助けてくれたアニスをただ慕っているからこそ、ユフィはアニスの前に立つ。全ては、彼女の❝魔法使いになりたい❞という夢のため。
王宮百合ファンタジー、感動の第三幕。
(『転生王女と天才令嬢の魔法革命』3巻 あらすじより引用)
感想
王族としてのアニスの思い
アルガルドがいなくなった事により、王位継承権が戻ってきたアニス。次期王となることになったアニスの様子は一見するといつもと変わらないようでした。
それは今まで作ってきたアニスの「仮面」でした。自らの心の内を見せないための笑顔を作るアニスはなんだか痛々しく感じました。
人間、「大丈夫」って言っている人が一番大丈夫じゃないんですよね。しかもアニスの場合はやろうと思えば大抵のことは出来るからなおたちが悪いですね。
そんなアニスの心の内がわかる場面は今まで見えてこなかったことが見えてきました。
王族でありながら魔法が使えないことの辛さ、王と王妃への申し訳無さを吐露するところはそれまでの破天荒な振る舞いとの差もあって辛かったことを感じました。
それでも自分は王族だからと無理やり納得させて行動しようとするアニスは自分を痛めつけているようにも見えました。
もしかしたら、そうすることで自分が王族にいてもいい理由にしていたかもしれませんね。
だからこそ、ユフィが王になることをいったときは、「私に、何の価値が残るの」という言葉が出たのだと思います。
アニスはユフィを王にさせないため、ユフィと戦うことになります。そこでアニスはユフィが使う「魔法」の前に負けます。
ただ強いだけではない、アニスが憧れたような魔法。それを前にしたアニスは自分じゃ王になれないことを感じます。
王になれなかったと言うアニスはもう本当は限界だったんだと思います。それでも王になろうとしたのは家族のためだったということにアニスが家族を愛していることが伝わってきました。
そしてアニスはユフィに自分の「前世の記憶」があることを話します。自分が本当はアニスではないのではないか、家族を裏切っているのではないかという罪の意識が常にあったことを話します。
そんな自分を「魔法使い」と肯定してくれたユフィに恋におちてしまうのはもう仕方ないことだと思いました。というかいままでは恋ではなかったんですね。まあどちらかというと守る対象という意識が強かったんだと思いますが。
自分の抱える心の内をさらけ出すことが出来る相手が出来て、アニスは救われたんだと思います。それがラストの笑顔になっていると思います。
これからもアニスには困難があると思いますが、ユフィと一緒なら超えらることを感じられました。
ユフィのアニスに対する気持ち
アニスの抱える思いが溢れてきた今巻でしたが、ユフィのアニスへの気持ちもすごく溢れてきていました。
最初は王になるであろうアニスに対して、アニスが王になるのは仕方のないことだと思っていました。
でも、お忍びで城下町に出た時に言われた「ー王様になって、それでアニス様は幸せになれるのかよ」という言葉にアニスが本当に王になるべきか悩みます。
アニスを王にしたくない理由がアニスを不幸にしたくない、アニスのこと慕っているからということにアニスに対する愛を感じました。
それまで自分の意思や感情というものをあまり持っていなかったユフィがアニスのために何か出来ることはないかと思ったのは、アニスと関わってきて成長したことを感じました。
他に方法はないのか模索していたところ、『精霊契約』という手段にたどり着きます。
『精霊契約』は己の魂を精霊と完全に同化させること、それは不老不死になることでもあります。
それを成し遂げることで、自分が王になることでアニスが王になることを阻止しようとします。
前述のようにアニスは「自らが王になるべき」と思っているためそれを拒絶します。
それでもアニスのためを思うユフィはアニスと戦ってでも自分が王になることを決意します。
精霊契約を決意したときからもそうでしたが、ユフィのアニスに対する愛が重いですね。それだけアニスのことが大好きということなのでしょうが。
そうしてアニスと戦い、みごと勝利を収めたユフィ。その結果、アニスは自分が王に向いていないことを認めます。
その後アニスから前世のこと、アニスの抱えていた思いを打ち明けられます。
アニスの思いを聞いたユフィはアニスが一番欲しかった「魔法使い」と言う言葉を送ります。ユフィにとってはアニスこそが願いを叶えてくれる魔法使いそのものだったのでしょう。
そしてそのままユフィはアニスにキスをします。まさかユフィがアニスを攻める側になるおとは読み始めた当初からは想像もできませんでしたね。
だんだんと感情が出てきているなとは思っていましたが、アニスに対する感情がここまで大きくなるとは。急にぐいぐいきすぎじゃないですかね。
ティルティがアニスの頭を撫でるだけで嫉妬するのは独占欲強過ぎませんかね。いつも攻めていた側のアニスがタジタジです。
そんなこんなでユフィは無事精霊契約を果たし、次期王となることになります。
アニスのためと決めたユフィにもう迷いはありません。アニスがいる限り、ユフィは今の道を胸をはって進んでいくと思います。
終わりに
ということで「転天」3巻の感想でした。
これから二人が作るパレッティア王国の未来が楽しみになる終わり方でしたね。
すごく綺麗に大団円となっていますがまだ物語は続いていきます。ここからが本当の「魔法革命」です。
- 王族としてのアニスの気持ち
- アニスの幸せを願い、行動するユフィ
- アニスへの思いを爆発させるユフィ
といったところがすごく良かったです。(ほとんど最後のユフィの押しが持っていった感がありますが)
この2人の物語(とイチャイチャ)をこれからも読んでいきたいと思います。
それではまた次の作品で。
あとがき
今回一番好きなイラストは3つめのカラーイラストですね。本編で端折った空中飛行、空中演舞のラストのシーンがイラストになっています。
勢いが完全に結婚式じゃないですかね。光を町に降らせる姿尊いです。
このまま幸せになって欲しいですね。
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