ライトノベル感想

「ステラ・ステップ」2巻感想~「鉄の国」のアイドル達~

はじめに

こんにちは、トビです。

今回紹介するのは、林星悟先生著、餡こたく先生画の「ステラ・ステップ」2巻です。

なんか1巻よりも辛さ増してませんか。救いが少なすぎる。

1巻からストーリーが重いこともわかっていましたし、先の予想もなんとなく考えていましたが軽く超えられました。フレア…。

もしかして下手に推し作ったら辛くなる系ですかね。好きなキャラ多くてその度に心えぐられそうになるのですが。いやまあ好きになりますけど。

全力でファンとして推していきます!

おすすめポイント
  • レインとクローバーのライブ
  • ハナの決意
  • フレアの思い

あらすじ

少女たちは、自由を奪われ、感情を捨て、そして〈兵器(アイドル)〉となる。

暴力〉に置き換わる〈道具〉として少女たちが戦う世界。

レインはハナの真実に心がついていけず、彼女とまっすぐに向き合うことができずにいた。
彼女の心とは無関係に、戦舞台で敗北した2人を『鉄の国』へ運ぶ心動車。
だが、彼女たちを乗せた車は突然止まり、1人の少女を降ろして再び動き出す。

「と、止まって……置いてかないで……」

ハナと離ればなれにされてしまったレインはひとり、悩みながらも〈道具〉として歌い、踊る。

一方、研修生としてレインと引き離されたハナにも笑顔の裏に知らなかった感情が芽生え――。

紅く暗い『鉄の国』。
“彼女”が隣にいない世界で、キラキラを探す少女たちが紡ぐ絆と愛の物語。

(ステラ・ステップ 2巻 あらすじより引用)

感想

「鉄の国」のレイン

1巻は「砂の国」でしたが今回は「鉄の国」です。

この国人の心なさすぎませんかね。いやこの国にとって「アイドル」は道具で、人形と考えているから人としての「運用」を考えていないということでしょうか。

この原因がレインにもあるというのも辛いですよね。レインが心のない人形としてアイドルをしていた結果最強とまで呼ばれたわけですから、やり方はどうであれ、そうするのが最適解だと思うのも仕方ないのかなと思ってしまいます。

実際、鉄の国のダンスレッスン(というの名の心をなくす訓練)はレインがしてきたことだったことから、レインのようなアイドルを作るという意味では間違ってないかもしれません。それ以外を致命的に間違えていますが。

偏見かもしれませんが、現実のアイドルも似たようなところがあるかもしれません。いわゆる流行的なものですかね。

まあ、流行に乗るほうが「勝つため」という目的では間違いではないですし、量産しやすいので「鉄の国」ではこのようなことになっていると思います。

そんな鉄の国のやり方を受け、以前のような状態に戻ろうとしていたレイン。

彼女が再び意思を取り戻すきっかけになったのは「戦舞台」で再開したクローバー(早幸)でした

クローバーと戦いたくないという思いから、最初の自由曲は以前のような歌い方をしていたレイン。

それでもクローバーの歌っている姿をみて自分の目指す『アイドル』を思い出して本来のしたかったライブを2人でするのは良かったです。

もともと同じ事務所だった2人が別の国の代表としてではありますが、並んでライブ行うというのは胸が熱くなりました。これがレインとハナがやりたかったことなんだと改めて思いました。

ライブの後にレインのファンの子と話ができたというのも良かったです。レインたちのやったことが無駄じゃなかったと感じることができて、嬉しかったと思います。

なんだかファンの子は厄介オタクになる気配を感じましたが…。

レインはクローバーが絡むと一気に涙腺が緩んでいるように感じます。以前の負い目とかもあるのかもしれませんが、その時の感情をそのまま出せているように感じます。

毎度この2人の会話には癒やされている気がします。尊い…。

ところで勝手な疑問なんですが、クローバーってどうやってアイドルに戻れたのでしょうか。

前回「砂の国」の知事にライブ参加の禁止を言われたと思いますが。レインがいなくなったからそういった余裕がなくなったのでしょうかね。

このファンとの交流のお陰で後のレインのメンタルが強くなっていて良かったです。このままだったらおそらく壊れていた可能性があったので。

その後の「総帥」への物言いやフレアへの言葉は以前のレインと感情が戻ったレインが合わさったような感じがしました。はっきりと自分の意志を言葉に伝えているような感じです。間違ってたらすみません。

でもレインが強くなったよう感じがして、成長を感じました。

ハナの新たな気持ち

さて、今回のハナは「鉄の国」の研修生と一緒の場所に入れられ、「1178番」番号で呼ばれています。ちなみに最初「いちいちななはち」番と読んでいましたが、「せんひゃくななじゅうはち」番でした。

「鉄の国」という全く別の環境に入れられてもハナの明るさは変わりませんでしたね。物置小屋のような環境でそのままの気持ちでいられるハナの前向きさすごいですね。

ただ、レインとクローバーのライブを見てレインの隣にいるのが自分ではないことに焦りを感じます。そこで改めて自分がレインの横に立つレベルに達していないことを感じたように感じました。

それと同時にレインの不調にも気づいていて、レインの支えになりたいとも思っています。

ハナの中のレインへの思いも強くなっているような気がしました。それまでは「憧れ」とかの気持ちが強くて遠くに見ているような印象がありました。一緒にライブをしてより一緒にいたいと思ったでしょうか。

そして今回も出てきた椿さん。「鉄の国」になったら調整できなくなるのかと思ったらそんな事なかったですね。

こういうところでもハナが人間ではないということがわかってしまうのは複雑ですね。

さっきの焦りの感情も消してしまうのでしょうか。あくまでも「正の感情」だけにリセットしているので、おそらくなくしているのかと思ってしまいます。

私個人としては人間の感情に不要なものなんてないと思っていますし、正と負のどちらかの感情だけというのは基本ありえないことだと思っています。

某心の鍵のゲームにおいて、心について触れられていましたが、純粋な光の心なんて基本ないし、同じように純粋な闇の心もないという話がありました。

感情もこれと同じだと思っています。正の感情のみが治療の役に立つと思っていますが、実際それだけで本当に治療になるのか疑問が残ります。

今のまま続けていたら決定的な何かを間違えるような気がして少し怖いですね。考えすぎかもしれませんが。

そうして出来上がっていくハナも恐怖や恐れを何も感じないというのは他の人と同じように怖く感じます。ハナにも幸せになって欲しいです…。

レインと歌った後に『これがハナの心の色なんだ』ということをレインが感じていることから、ハナ自身にも心があるんじゃないかということ感じられましたね。

これがハナが幸せになる切っ掛けになって欲しいです。

フレアの抱えている思い

「鉄の国」といえば前回から出てきたフレアです。

今巻では、フレアの抱えていた思いやその意思の強さを見る事ができます。

「鉄の国」のやり方を間違えていると知っていながらもその仕組に逆らえないことから、自分が他のアイドルの分まで背負おうという気持ちが伝わってきて自分を痛めつけているかのように感じました。

その理由もフレアの友人だったアイドルとの話で背負い込む理由で分かります。フレアの責任ではないと思うのですが、そうでも思っていないと耐えられなかったのだと思います。自分を道具だと言いはるのも、自分を守るための言葉だったのでしょう。

フレアは自分のせいで星眩みとなってしまった友人を助けたいと思い、ハナを利用しようとします。

それでも純粋なハナに当てられて迷いが出るフレアは本当は優しい子だというのが伝わってきます。

基本的に出てくるアイドルに良い人が多すぎますね。今回初登場のランタンもそうでしたし、本当に救われてほしい。

そう思っていた矢先のラストですよ。仲間だと思っていた人から裏切られて、知りたくなかった真実を知ってフレアを支えていた芯が折れてしまうのは仕方ないのかと思います。

それだけでも十分辛いのにそれ以上の事を突きつけられて心がえぐられました。

こうでもしないとレインとハナに危険があったとはいえ、もっとやり方がなかったのかと思ってしまいます。実際はなかったとしか言いようがない状況でしたが。

フレアは「鉄の国」というかこの世界の仕組みの被害者だったんじゃないかと改めて思います。せめて「砂の国」でレインと出会っていれば少しは違ったんじゃないかと思います。

どちらにしてもこの世界にの仕組みが悪いことには変わりないですが。

本当にいいキャラだったので、できれば今後の活躍も欲しいところです。

終わりに

ということで「ステステ」2巻の紹介・感想でした。

想像の何倍もの凄惨さを突きつけられて心が痛みますが、この先にハッピーエンドがあると信じたいです。

というかこの世界の大人が基本的に信用できない人が多すぎる。プロデューサーぐらいしかいないのでは。

「橋の国」の動きも不穏ですね。今のところ「鉄の国」がラスボスっぽく見えてますが「橋の国」が今後どう動くかもストーリーに関わってくると思います。

ランタンも次巻以降より絡んでくると思いますが、レインとハナとどう接するのか現状読めませんね。できればいい関係になって欲しいのですが。

この世界観が好きなので、もっと応援していきたいです。

それではまた次の作品で。

あとがき

内容がだいぶ重いですがカラー口絵も本当にいいですね。レインがハナに指輪をはめているところは本当に最高です。(実際の状況は重かったですが)

あとは挿絵のクローバーの衣装姿ですね。1巻から出ていてようやく崇めました。ありがとうございます。最高です。

ただメインに入ってくると思っていたフレアがああなっているので、登場人物全員先が読めないのが怖いです。クローバー好きなので残ってほしい。

そして今回名前だけのブルーローズさん。なんだかんだ今回で初めて負けてましたね。フレアが強いことを改めて確認できましたが前回まで勝っていたので残念です。

名前からして好きなのでまたちゃんと出てきてほしいです。

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ABOUT ME
トビ
1996年12月4日 長崎県生まれ長崎県育ち。 現在長崎市在住の会社員。 小学生のときからライトノベルやマンガ、アニメが好きでした。 ライトノベル作家や漫画家の先生を少しでも応援したいと思いブログを始めました。 いろんな感想を語り合いたいと思っています。 ちなみにプロフィール写真は私が作ったケーキです。 お菓子は作るのも食べるのも好きです。 甘いものは正義。 よろしくお願いいたします。

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