はじめに
こんにちは、トビです。
今回紹介する作品は、雨水汐先生の「欠けた月とドーナッツ」3巻です。表紙で2人が段々近づいていくのいいですね。
今巻はどちらかというとあさひがメインの回だったように感じます。
あさひのこれまでの考え方と、自分がどう思っているのかを見つめ直す事になった回でした。
今まではすばる第一の人生だったあさひが、自分の気持ちを見つめ直すきっかけになったのがひな子ということが感じられて個人的にすごく心に来ました。
あさひの親友の風香も自分の言ったことに後悔していたり、ひな子に対して罪悪感を持っていたりといい人だなと感じました。
さらっと言ってましたけど風香普通に彼女作ったって言ってましたね。モテるのかあさひに告白するために鍛えていたのか…。
というか全体的にあさひが可愛い巻でした。
対象的にひな子は1巻の時よりも前向きに行動しているようでした。なんだか強くなっているようにも感じました。
あさひに対して励ますようなことを言ったり、一緒に買い物をしていたりと積極的に行動しているように感じました。
あさひが泊まることになったときのひな子が可愛くて好きでした。
それぞれのいろんな感情が溢れてくる3巻でした。
発行日 | 2021年9月17日 |
定価 | 937円(税込) |
発行 | 株式会社一迅社(百合姫コミックス》 |
あらすじ
あさひに感情が恋かどうかわからないひな子は、自分があさひに対してどう思っているのか悩んでいた。
そんな中あさひの高校からの友人の風香と出会い、話をしたことで、自分の気持ちが恋と知り、その心に従って行動することを選ぶ。
そんな中、あさひは進路のことですばると喧嘩をする。
すばるが家出しようとしていたのを止め、かわりに自分が出ていくことにしたあさひは、ひな子の家に行くことに…。
それぞれの思いが交錯し、思いが溢れ出していく
前巻の感想については下の記事より。
感想(ネタバレあり)
自分の心に従うひな子
4巻を通してあさひの側にいたい、ずっと一緒にいたいと思ったひな子。でもその感情はふつうの「好き」や「恋」ではないと思っており、この感情の名前は何なのか悩むひな子。
改めて見つめ直すきっかけとなった風香と再会してその思いを告白します。
風香は自分の言ったことは八つ当たりであり、ひな子に対して悪いと思っていましたが、ひな子自身は逆に感謝していたことが印象に残りました。
単純にひな子が鈍感なのか、わかっていながら前向きに捉えているのか…。
個人的にはどちらかというと後者のように感じました。
ひな子はそんなに鈍くないですし、自分が「普通」になれないだけで普通はどういうものかなんとなくわかっています。
だからこそ、風香からそのことを言われたときに悪意を感じたものの、自分で感じていた違和感と照らし合わせて、改めて見つめ直すことができたと言っているんだと思います。
そして風香から「恋」と言われたことで、自分の心を整理することができ、あさひと向かい合おうと前を向く姿に成長を感じました。
1巻のときは「人と違う」や「普通になれない」事に対し自分を責めたり、落ち込んだりしている描写が多めだったように感じます。
それに対し今巻では、あさひを励ましたり、独り占めしたいと本人の目の前で言ったりと、今までよりも強くなっているように感じました。
「恋は人を強くする」と言いますけどあさひと出会ってひな子は強くなったんだと思いました。
その分、あさひがデートに行くのに対してこっそりと『行かないで』と言っていたり、会えないことを残念がったりとあさひへの思いがでてくることも多くなってきました。(もとから…?)
ひなこも色々と抱え込んできているので、そろそろ報われて欲しいです。
自分の思いに戸惑うあさひ
そして今回、あさひの思いについてもいつもより多めに出ていました。
それは、あさひ自身が自分のことを見つめ直す機会があったということが大きな理由でした。
第一に、すばるとの姉妹喧嘩です。
すばるに幸せを思い、大学に行って欲しいと思っていたあさひでしたが、当のすばるがそれを拒否して喧嘩になります。
そしてその結果、あさひは家出をすることになります。いやなんでだよ。
流れでひな子の家に泊まることになったあさひ。そのときに自分はすばるに自分の幸せの形を押し付けていたんじゃないかと考えます。
まあ、幸せは人それぞれですし、家族とはいえ押し付けられるのは嫌だったんだとおもいます。
というか、このときのひな子の感情色々と複雑でしたでしょうね。ほんとこのときに『独り占めしたい』といったの色々とファインプレーだったと思います。
あさひがじっくり考える時間を取ることもでき、ひな子に相談することもできたというのは気持ちの整理をするのにとても良かったと思います。
ついでにひな子もあさひと一緒にいることができる。ウィンウィンじゃないですか。
そして第二に、風香からの告白です。
高校時代からあさひのことが好きだった風香がついにあさひに告白をします。
口では色々言っていたものの、あさひが自分から離れていくようでやっぱり嫌だったんだろうなと思います。
あさひと話すたびにひな子の名前が出てきて、もやもやしている表情もたくさんありましたし。
割りと顔に出ていたような気もしていましたが、現実だとやっぱり気づかないんでしょうかね。もしくはあさひクオリティ。
今まですばる一筋だったあさひは自分に対して向けられる「好き」にどう対処していいのかわからず困惑します。
風香は一度デートをしてそこで答えが欲しいと答えます。
自分がどう感じているのか分からず、ただデートを楽しみにしている風香のために服装はちゃんとしたいと思うあさひ。
そこで相談する相手がひな子なのが本当にあさひ。風香の名前とお出かけということを出した時点でひな子も察しますよね。
そんな中自分から服を一緒に買いに行くことを提案するひな子強い。ほんと今回のひな子活躍し過ぎでは?
デートを通じて自分と改めて向き合ったことで、自分がつらいときに会いたい人が誰なのかを悟ったあさひ。
このときの感情は恋心なのかどうかはまだわかりませんが、あさひがはっきりひな子を意識し始めたということだと思います。今までも意識はしていましたけど。
この思いがどうなるのか、次巻が気になります。
おわりに
ということで「欠けた月とドーナッツ」3巻の紹介・感想でした。
今回はいつもよりもあさひの弱い部分が多く出ていましたね。
個人的なオススメポイントは
- 風香と仲良くしたいひな子(11話)
- あさひを独り占めしたいひな子(12話)
- あさひの後ろ姿に『行かないで』というひな子(14話)
です。風香とあさひの関係にモヤモヤしながらも仲良くしたいと思うひな子。最初の印象より強くなったというか図太くなったなと思いました。
その後の風香との『お友だち兼ライバル』も良かったです。
12話についてはすでに語っているので割愛。とりあえずひな子ファインプレー。
『行かないで』というひな子は本当に心の声がつい出てしまった、というような感じ吹き出しも心が痛くなりました。
次が最終巻ということ。なんだか寂しいです。
このひな子とあさひの関係がどうなるのか、最後まで楽しみです。
あとがき
今回はあさひの「ビシっ」て決めるところが少なかったです。
仕事の場面が少なかったことと、いつもよりあさひが決めるところが少なかったですね。地味に好きだったので残念です。
最後はまた増えるほしいですね。
今回の好きなイラストは15話の表紙画のひな子です。
15話の衣装(ほとんど出ていないですが)ですけど、手にドーナッツを持っているのが、ばったりあさひと合わないかという淡い期待を抱いていて、でもそんなことはないと思っている暗い顔というのが個人的に刺さりました。
しかもこのときのあさひもひな子と会いたいと思っていて大事なときにすれ違っているなというのを感じられるのでこのイラストが好きになりました。
ちょっと今回はイラストも暗い表情が多めだったので最終巻は笑顔多めになってくれると嬉しいです。
それではまた次の作品で。
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