1. はじめに
こんにちは、トビです。
今回紹介するのは鴉ぴえろ先生著、きさらぎゆり先生画の「転生王女と天才令嬢の魔法革命」2巻です。久しぶりです。
アニメでもやった部分になりますが、アニメではカットされたところも多かったので、改めて読むとそうだったなと思うところが多かったですね。
2巻の内容は現在コミックスでも連載中のところですので、こちらも読んでみると比較ができてより面白いと思います。
おすすめポイント
- 婚約破棄騒動を探るアニス
- レイニとイリア
- ユフィの思い
作品名 | 転生王女と天才令嬢の魔法革命 |
作者 | 鴉ぴえろ |
イラスト | きさらぎゆり |
発売日 | 2020年5月20日 |
定価 | 792円(税込) |
出版 | ㈱KADOKAWA(ファンタジア文庫) |
2. あらすじ
天才公爵令嬢・ユフィリアとともに王国を襲う脅威・ドラゴンを撃退したアニスフィア。
だが、婚約破棄騒動は終わっていない。そのカギを握る令嬢・レイニの謁見に同席したアニスは彼女が❝ヴァンパイア❝だという真実に気づく。しかし、それは王宮を揺るがす壮大な陰謀の始まりに過ぎなかったー!
「姉上、どちらが王に相応しいか、ここで決着をつけよう!」
「アルガルド。貴女にー王を名乗る資格など、ない」
術との原因を作ったアニスの弟・アドガルド。事を起こした弟と彼と国を想うあまり敵対するしかなかった姉がついに激突するー!王宮百合ファンタジー、第二幕!
(『転生王女と天才令嬢の魔法革命』2巻あらすじより引用)
3. 感想
婚約破棄騒動の原因へ
ドラゴンの騒動を解決しそこから得た素材などをもとに悪友のティルティと実験を行おうとしている最中、王城に呼び出されます。
この実験というのもだいぶアレな内容ですが一旦ここでは保留。
呼び出されたアニスは父のオルファンスとユフィの父のグランツ公、そして外交から帰ってきていたアニスの母のシルフィーヌとユフィの婚約破棄騒動について話をします。
このときのお母様の圧めっちゃ強いですね。アニスが怖がるほどってよっぽどでしょうね。さすがパレッティア王国最強。
周りの話を聞くだけでは解決できないということになり、原因となったシアン男爵令嬢(レイニ)を呼び出して直接話を聞くことになり、それにアニスも同席することになります。
貴族学院のことを知らないアニスはアドガルドと同じくユフィを糾弾した騎士団長の息子・ナヴルに話を聞きに行きます。
もうこのときの『突撃ッ!隣のお宅訪問ッ‼』の勢い面白くて好きですね。コミックスだと動きもわかるのでそれでも面白いのですが、小説でも文字だけでも想像できますね。
基本2巻はシリアスな内容が続くのですがアニスが真面目過ぎない行動を取ってくれますので、重たくなりすぎずに読むことができるのも魅力ですね。
ただこのときの理詰めで攻めるアニスも好きです。地の頭の良さが伝わってきます。
『ユフィを糾弾することでどんな利益を得るつもりだったのか』『感情論で話しても何も解決しない』といった箇所で婚約破棄騒動にまでなった理由を突き詰めるところはこっちも追い詰められている感じがします。
人が何か行動するときって結局その結果「何が得られるか」なんですよね。そこをそらさずに話をするアニスはしっかりと本質を見る力があると感じます。
レイニについて
実際にアニスとレイニが会うことなり、そこでレイニが「ヴァンパイア」(に親しい人間)であることがわかります。
「ヴァンパイア」というとよく聞くのは吸血鬼とかのイメージが強いかと思いますがここでの「ヴァンパイア」はあくまでも魔石を埋め込まれた(レイニの場合は子孫として受け継がれたが正しいですが)人間のことです。(結果的に似たようなことが出来るようになりますが)
その埋め込まれていた魔石による魅了のレイニの意思とは無関係に発動してしまっていたため、今回のような婚約破棄騒動に発展しました。
無自覚に人を魅了すると聞くと皆に好かれるということではいいかもしれませんが、(某アニメみたいですね)個人的には怖いところもあります。
自分が頼んでないのに「あなたのためにしました」と言われても怖いし迷惑だなと感じてしまいます。それに変に好かれて「自分を見てくれない」と思われるのも面倒だなと思ってしまいます。
私自身、人と積極的に関わることが苦手な人間なので、あまり好ましくない能力ですね。
いままで自分のせいで他人を不幸にしたと思っていたレイニにとっては、魔石による魔法が原因だったという理由があったことは本当に嬉しいことだったと思いますし、自分のせいと思っていたレイニは優しい子なんだと思いました。
最初は敵対する関係かと思って本当にすみません。
イリアとのからみもいいですね。魅了の魔法を制御できた直後に尋ねた相手がイリアだったり(そのときは特に変わってないと言われてしまいますが)、2人で講演会に言ったアニスたちを待つときのシーンはほっこりします。
それに力を制御出来るようになった代わりに出るようになった吸血衝動をイリアが対応しているのもなんとなく距離感が近いように感じていいですね。(アニスとユフィは立場的なものもありますが)
レイニがいい子でホント良かったです。
アニスのためにユフィが出来ること
今巻ではユフィがよりアニスのために動く巻となります。
1巻では自分がどうしていきたいのかを考えるところから始まり、アニスのそばを歩みたいという決意をしていました。
しかし、ティルティとあった後や、レイニへの対応などを経て、何もできなかった自分に無力感を感じ、「どうすればアニスの役に立てるのか」ということを考え始めます。
それは自分よりも近くでアニスの役に立っていたティルティに嫉妬するほどでした。
ティルティに今後のアニスとの付き合い方をどうするか尋ねられた後、夜にアニスと話をします。と言うか自然と2人一緒にいるんですよね。
このときのユフィの考えていることを要約すると「アニスと一緒にいるためにはどうすればいいか」ということです。もう大好き超えて愛ですねよ。
アニスの役に立てるようにと改めて決意をしたユフィは積極的に行動していきます。
ドラゴンの素材の使い道について魔法省より講演会を開くようにアニスが言われた際には、ユフィが表立って行動するといい、講演会では魔法省のアニスに対する態度に言及するなどセンシティブなところにまで話をし、アニスを守ろうとします。
アニスのためならと覚悟を決めたユフィが強すぎますね。
やはりいちばん好きなのはラストですね。
眠っているアニスのもとにかけよって『お傍にいます。私が』と声をかけてまぶたに口づけをする場面は挿絵も相まってもう最高でした。(本編はそれどころではないくらい重いですが)
もうすでにアニスのことを愛していると言っても過言でははないユフィ。それを言葉にすることはもう少し先の話となりますが、今回の経験があったからこそ、よりアニスとのこれからのことを考えることができたのではないかと思います。
4. 終わりに
ということで『転生王女と天才令嬢の魔法革命』2巻の感想でした。
今回一番盛り上がるであろうアドガルドとアニスについてはバッサリカットした形となりましたがここも本当に好きです。お互いの思いをぶつけ合うシーンは見てて熱くなります。
今回は「このキャラのこういったところが好き」を中心に書かせていただきました。他にもティルティなど魅力的なキャラが今巻で増えていますので自分の推しを見つけてほしいですね。
今巻については婚約破棄騒動と姉弟対決がメインのため、百合成分は少なめかなと思います。本編もかなりシリアスですし。
ストーリー全体を通して面白いので、1巻が好きになった人は続けて読んでもハマると思います。
次回の3巻はアニスとユフィの関係性が大きく変わる巻です。アニメの最終回の範囲でもあります。
内容が本当にいいのでこちらもできる限り早めに記事を上げたいと思います。
それではまた次の作品で。
あとがき
今巻特に好きなイラストはすでに記事で上げましたが、最後のユフィがアニスのまぶたに口づけをする場面(P315)ですね。
心情と相まってイラストが最高です。
途中の場面で心が重かったのですが、最後のこのイラストで心が癒やされました。
前半あんなに面白かったのに後半がめっちゃ重かったですね。アドガルドがシリアス成分強すぎる。
アニスもなんだかんだシリアスの塊なのを態度でごまかしているだけなんですよね。魔法が使えなかったり魔法省に疎まれていたりと。それが顕在化していきましたね。
こんなギャグとシリアスのバランスがいいのは読んでいていろんな感情を感じることが出来るのでいいですね。
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