はじめに
こんにちは、トビです。
今回紹介する作品は、萩埜まこと先生の「熱帯魚は雪に焦がれる」5巻です。
表紙の小雪と楓が今巻のメインになっています。
今の学年の終わりが近づき、小雪が先のことを考え始める話になります。
高校生から将来のこと考えるのって難しいよなって今考えても思います。
それが家を出ていくことになるならなおさらです。
そんな将来の悩みについて、楓と考えている姿が印象に残りました。
そして今回、楓のことについても今まで以上に深掘りされていて、家族事情が結構出てきましたね。
ここしばらくで好きなキャラになったので、メインへの関わりが増えていって嬉しかったです。
毎度悩みを抱えているようにも感じていますが、それも高校生ということだろうなと思いました。
そんな高校時代のことも思い出した巻になりました。
個人的オススメポイント
- 横になって顔を見合わせる小雪と楓(第18槽)
- 「寂しい」が言えない小雪(第19槽)
- 小夏に気づかせたい楓(第20槽)
あらすじ
クリスマスの日の一般公開の日、小雪は家族に素の姿を見られてしまい、動揺する。
その様子を見た小夏は小雪を抱きしめて落ち着かせる。
そして小雪は落ち着き、小夏を「心の拠り所」と落ち着き、家族ともいつも通りにもどる。
そして年が明け、小雪は進路について考えることになる。
進路について悩み、小夏や家族に思いを言えない小雪は楓に相談することになり…。
小雪の思いが揺れ動く第5巻。
感想(ネタバレあり)
横になって顔を見合わせる小雪と楓
最初は、第18槽より、小雪の家で横になって顔を見合わせる小雪と楓です。
冬休みのある日、暇を持て余していた楓が犬の散歩に出ていると偶然小雪に会います。
楓がお互い暇であることを(意識して)いったことをきっかけに小雪は家に誘います。
そこで、家族が帰ってこないことを寂しがっていることを知り小雪が意外そうに思った後の場面です。
改めて見ると顔がいいなと思いました。(なぞの直球)
特に楓は学校のシーンでは、元気にしている場面が多いので、いつもよりしおらしいというか、落ち着いている美人だなと改めて感じました。
小雪が色々と悩んでいることを悟ってそれを茶化すことなく接しようとしたのかなと思いました。
まあ、それまで深く関わっていなかったというのもあると思いますが。
その後の、枕(クッション?)投げでいつもの楓に戻っているところまで含めてこの場面は好きです。
この後小雪の母親までこの中に混ざったのは面白かったです。(しかもおそらく一番積極的)
「寂しい」が言えない小雪
次は第19槽より、家族や小夏に対して「寂しい」が言えないことを楓に相談している場面です。
東京の大学に進学することを決めた小雪。
それに対する周りの反応は小雪の思っていたものと違っていました。
家族は小雪の選択を歓迎し、その道を応援します。
小夏は受験が近づいてきたということを感じてきているものの、小雪がどんな道に進むか聞いてきません。
そんな周りの様子にもやもやする小雪。
そんなやり場のない気持ちを楓に相談します。
そこで、自分の気持ちである「寂しい」を大声で叫びます。
この場面が今まで溜まってきたものを吐き出したように感じてとても好きです。
その相談相手が楓だったというのは、その直前で家族が帰っていないことを寂しがっていたことから共感してもらえると思ったからだと思いました。
この直後、楓に「めんどくさい」と言われていますが、そう言われても仕方ないかなと思います。
家族はともかく、小夏については進路がわかっていないので、そのことを聞いてこない小夏に『鈍感』というのはちょっとめんどくさいかなとも思います。
まあ、小夏も特に何も聞いてこないので、小雪がもやもやするのも分からなく無いですけどね。
家族であっても、考えていることって自分から言わないと伝わらないよなって改めて感じました。
こういうときの楓の明るさって、小雪にとって気持ちを軽くするものになっているんじゃないかと思います。
小夏の場合はどちらかというと包まれているような感じでしょうし、感じるものが違うのかなと思います。
こう書くと、誰が年上か分からなくなりそうですね…。
小夏に気づかせたい楓
最後は、第20槽より、小夏に小雪のことを気にして欲しい楓です。
小雪から寂しいという思いを聞いた楓。
小夏の気持ちを知っている楓は、小夏も寂しいと思うと確信しています。
翌日、クラスでたまたま受験の話になりますが、小夏は特に気にする様子はありませんでした。
その時の楓が気づいて欲しいというように小夏に近づいていくのが好きです。
小夏に気づいて欲しい一方、そこまで自分がちょっかいを出すのは違うという葛藤に悩まされています。
そこまで他の人のことを気にすることができる楓は他人思いだなと感じました。
まあ、ちょうど家族との関係について本人も悩んでいた時期だったので、そこに共感したというのもあるのかなと思いました。
ここに来ての楓の深堀すごいです。それだけ魅力的ではありますが。
実際寂しさを感じているんだと思いますが、それを深刻に感じさせないのも一つの才能なのかなと思います。
そんな楓の一面も感じることができたので、この場面が好きになりました。
おわりに
ということで、「熱帯魚は雪に焦がれる」5巻の紹介・感想でした。
今巻は小雪と楓がメインだったことから、小夏の出番はいつもより少なめでしたね。
そんな中最後に爆弾が投下されていますので、次は小夏メインの回になるのかなと思います。
まあ、おそらく荒れるのかなと思います。
何度もすれ違っているんだからこれ以上すれ違わなくていいのにとも思ってしまいますが…。
次回の小夏の心情を楽しみにしたいです。
あとがき
ちょいちょい遅くなってしまい、大変申し訳無いです。
もっと頑張らないとなと思う今日このごろです。
さて、今回私が印象に残ったイラストは、カラーページのあらすじが載っているページです。
小雪と小夏の入ったスノードームを抱えている小雪です。
スノードームという、閉じられた世界で仲良く遊んでいる小夏と小雪。
これはある意味、小雪の理想なのかなと思いました。
「小夏だけいればいい」とは違いますが、小夏を心の拠り所しているということを表しているのかなと思いました。
実質的に「閉じ込めている」ようにも見えるのは『山椒魚』にも似ているように感じました。
それだけ、小夏に対する思いが強くなっているんだろうなと思いました。
さて急に寒くなってきたので、皆様も体調にはお気をつけください。
それではまた次の作品で。
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