はじめに
こんにちは、トビです。
今回紹介する作品は、矢村いち先生の『声がだせない少女は「彼女が優しすぎる」と思っている』11巻です。表紙絵はカラオケをする菊乃とそれを聞いている音。菊乃って歌うのか?
菊乃がついに音に自分のことを打ち明けてから初めての巻になります。
それでも大きく変わらない2人の関係に見ていて癒やされます。
そして今回、ミドリがたくさん出てきて大活躍でした。初期メンバーですが一切株を落とさずさらに出番を増やし続けるミドリ。キャラとして強い。
ミドリの人脈とか関係性で物語が動いているところがあるので、顔が広いって色々と便利だなと変なところで感心していました。
あわせて新キャラの『兎田紬』という個性強めのキャラが出てきました。ホント次々個性が強いキャラが出てきてすごいです。
そんな中でも他のキャラが埋もれず個性が発揮されていてキャラの動かし方が上手いなと感じました。
そして物語が核心に迫ってきました。メインキャラの問題の解決に向かっていくのは先が気になると同時にクライマックスに近づいているようにも感じてしまいます。
今巻の後ろの『あと少し!』もなんだか近づいているようで少し寂しさを感じてしまいます。(間違ってたらごめんなさい)
とはいえまだ続くのでまだまだ楽しみにしていきたいです。
この作品がおすすめな人
- 心温まる話が好きな人
- キャラクターの成長が感じられる作品が好きな人
作品名 | 声がだせない少女は「彼女が優しすぎる」と思っている 11 |
作者 | 矢村いち |
発行日 | 2023年7月15日 |
定価 | 726円(税込) |
発行 | 株式会社秋田書店(週刊少年チャンピオン) |
あらすじ
音と関わって近づいていき、自分のことを打ち明けた菊乃。
それを嫌な顔ひとつせず受け止めた音。(混乱はした)
秘密を打ち明けた後も大きく変わらない日々を過ごしていき、もうすぐ2年生の終わりになる頃、菊乃はとあることを決意する。
それは音には辛いことかもしれなくても、音の『声』を取り戻すたいと思う菊乃は行動を起こす。
音の本当の『声』を聞くために…。
感想(ネタバレあり)
音の声を聞きたい菊乃
「心の声が聞こえる」という自分の秘密を音に打ち明けた菊乃。
音はその事実を(混乱しながらも)素直に受け止め、関係性が大きく変わることもなくいつも通りの学校生活を送っていきます。
変わったことといえば、音がどこから菊乃に聞かれていたか気にしだしたことぐらいでしょうか。
それも菊乃の悪口ではなく、「自分の考えていることで菊乃が傷ついていたらどうしよう」などの気持ちでした。優しすぎませんかね。
相変わらず2人とも可愛かったですね。菊乃も自分の秘密を打ち明けた時は気持ちが高ぶっていて、後からそのことに対して恥ずかしがっていて可愛かったです。
そんな秘密を知った後も変わらない生活を送っているというのも、考えればすごいなと思います。
勝手な想像ですが、自分の考えていることを聞かれていると思ったら、菊乃が思っていたように気持ちがられるか、距離を取られると思います。
でも音は聞かれたことを気にしながらも、それを嫌とは思わず、いつも通り接していたのですごいなと思いました。
音の精神性がもはや聖女とかそんなレベルに感じます。昔の経験からとすると少し悲しくも感じますが。
そんな音のことだからこそ、菊乃も音のことを助けてあげたい、救ってあげたいと思ったんだと思います。
少し前(1巻時点)では誰かのために動こうとすることはなかった菊乃が、人の力を借りてでも誰かのために動くというのはすごく成長を感じました。
誰かのために動くということは、決して間違いじゃないと思います。
この行動が音にとって、菊野にとってもいい結果になるように思いたいです。
最強おたすけキャラのミドリ
もしかしたら今までもそうだったかもしれませんが、今巻ではミドリの登場と活躍がかなり多かった気がします。
新キャラの紬の登場の理由だったり、今回菊乃の頼みを聞いて一緒に行動したりと活躍が多かった気がします。
今回のもろもろの功績の半分以上がミドリのおかげな気がします。便利キャラというか強キャラというか、すごいです。
ちょっと前に修学旅行でだいぶ掘り下げられていますが、逆にその時に「音の大切な友達」になったような気がします。
音は他のキャラとも色々と交流していますけど、より深く交流しているのは菊乃とミドリ咲だと思っているので、菊乃が頼み事をするのがミドリというのがとても良かったです。(咲はにぎやか仕様員ですし…)
改めてみたら、ミドリを「ミドリ」呼びするのって音ぐらいですし。他は基本「中村」呼びです。(菊乃は菊乃なので名前呼びはまあしないでしょうし)
このあたりは関係性の差がある意味はっきり出ていると感じました。
さらに最後菊乃と音と一緒に出るのがミドリと咲と初期4人だったので、音の一番深いところに関わるのがこの4人というのがとても良かったです。
にしても、改めてミドリの顔の広さがすごいということを感じました。
元々、心の底から人と関わっていない、表面だけ合わせることをしていたミドリでしたが、その「誰とでも仲良くできている」というのが色んな情報を集めるのにプラスになったというのが、ミドリのそれまでも無駄じゃないことを感じられました。
最終的には新キャラの紬からの情報でしたし、ミドリを協力者に選んだ菊乃の気持ちがよくわかりました。
まあ、他の面々が個性が強すぎて情報収集に向かないというのもあったかもしれませんが。渚と楓も人脈は広いですがそもそも菊乃苦手そうですし。
個人的にミドリは好きなキャラでしたのでとても嬉しかったです。
次の12巻でも活躍しそうなので楽しみです。
おわりに
ということで、「声カノ」11巻の紹介・感想でした。どんな話でも初期のメンバーが揃っていると安心しますね。
個人的にオススメのポイントは
- 菊乃の告白に混乱する音(144話)
- 察しのいいミドリ(149話)
- 初期の4人が集まる場面(157話)
です。音の心の混乱はいつも全く関係ないことも混ざっているので見ていて面白いです。
菊乃に対しても他の人と違ってラフに接するミドリ。ここの信頼関係も出来上がっていることを改めて感じることができてよかったです。
最後は何度も書いているので省略。
改めてホントに最終章って感じを勝手に感じています。まだまだ続いてほしいんですが…。
これで音の声が戻るとしても、最初に聞くのはやっぱりこの3人がいいと思っているのでその展開が楽しみです。
あとがき
今回さらっとツインテールじゃない菊乃が出てきていますが、そんな場面今までありましたかね。私が忘れているだけでしょうか。
急に出てきたのでいつもとのギャップにびっくりしていました。めちゃめちゃ可愛かったです。
なんとなく咲のツインテ呼びが頭に残っているので、そのせいかもしれません(冤罪)
さて、今回の個人的に良かったイラストは、第150話の扉絵です。
音の頬を後ろから引っ張っている菊乃。しかも2人ともいい笑顔。最高です。
菊乃本編でこんな表情したことあったかと思ってしまうくらいのいい笑顔です。音の前だからでしょうね。
しかもかなり近い距離感。ここまで含めてとてもいいですね。
ホント最初の頃に比べると菊乃の笑顔の場面増えました。ほとんど音の前でしか笑いませんが。
音が声を出せるようになったら、2人で思いっきり笑い合ってほしいですね。
それではまた次の作品で。
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