はじめに
こんにちは、トビです。
今回紹介する作品は、竹嶋えく先生の「ささやくように恋を唄う」8巻です。表紙はアキと志帆です。中身を知っているとすでにしんどい。
シリアスな展開が続いていて心休まる時間が依とひまりがイチャイチャしているところぐらいしかない…。
学祭編に入ってから勝負だったり失恋だったりと中心になっている部分が暗めなので、全体的にシリアスになっています。
そんな中ついに始まる文化祭。ここまで始まってからも身構える文化祭ってあまりないですよ。
文化祭デートをする依とひまりぐらいが癒やしです。ひまりも今巻は暗い表情が多めなのでこのときの笑顔がよりよく見える。
そして何度目かの対峙をするアキと志帆。アキの一言一言が大体地雷なのちょっと志帆さん辛すぎじゃないですかね。
この対峙の後だからこそ、ローレライの演奏シーンの迫力がより際立ちます。このときの志帆の感情を考えるのが若干怖い。
そんな波乱の文化祭が始まった今巻でした。
作品名 | ささやくように恋を唄う 8 |
作者 | 竹嶋えく |
発売日 | 2023年7月18日 |
定価 | 814円(税込) |
発行 | 株式会社一迅社(百合姫コミックス) |
あらすじ
ローレライの結成の過去、そして志帆が秘めていた思いを知ったひまり。
SSとローレライ、どっちも好きなひまりは和解してほしいと思うがその全てが空回っているように感じてしまい、落ち込んでしまう。
メンバーから励ましてもらい、持ち直したひまりは改めて志帆とアキの和解に手を貸す。
それぞれの思いを抱えたまま、ついに文化祭の幕が上がる。
そしてローレライの演奏が始まろうとする前、アキと志帆が何度目かの対話を行う…。
感想(ネタバレあり)
志帆の想いの始まりと終わり
個人的に今巻で感じたのは、志帆の初恋の始まりから終わりまでを書いていると思いました。誰がそこまでしろといった。
7巻で志帆がアキに惚れていたということは語られていましたが、どういう流れで好きになったのだろうと思っていました。
なのでそれを知ることができたのは嬉しかったのですが、告白する直前にアキが依に恋しているところをみて失恋。辛い。
自分が失恋したことを知って好きな人と一緒にいることが辛くなってSSを抜けた志帆ですが、当のアキがその理由を問い詰めに来る。
志帆にとっては、それはどれほど辛いものなのか、正直私には想像もできませんが、相当に辛かったと思います。
そして決定的になったのは今回の文化祭。
ローレライの演奏が始まる前、ひまりに呼び出された志帆はアキと直接話をすることになります。
その時アキからある意味決定的な一言が出てきます。
『志帆と仲直りして もう一度 友だちになりたいの』
『ささやくように恋を唄う』 8巻より引用
知らないとはいえ、言われた志帆にとってどれだけ辛かったか、想像もできません。
正直これに関して言えば個人的には、アキのことはあまり擁護できないです。
実際はアキは悪くないと思うのですが、個人的に志帆に感情移入してしまっていて、志帆の味方になりたくなります。
アキとの決別を経て本当に志帆の初恋は終わったんだと思いました。
そこから吹っ切れた志帆は本当に強いと感じました。
せっかくここで振り切ったので志帆には笑顔で前向きに頑張って欲しいです。ローレライとひまりと一緒に笑っていてほしい。
というか今回も含めて色々あったのに、ひまりに対する好感度高すぎませんかね…なんだかんだひまりに甘い志帆好きです。
ひまりは依と一緒にいて欲しいという反面、志帆が素でいられる存在としてもいてほしいと思います。この組み合わせも好きなんですよ…。
こっちは恋愛感情なしでいいから良き友達、もしくはマネージャーとして一緒にいてほしいです。
なんど凹んでも立ち上がるひまり
今作の主人公であり、ムードメーカーでもあるひまりですが、今巻はいつもより暗い顔が多めでした。
SSとローレライのどちらも好きなひまりは、仲良くして欲しいという気持ちから話す機会を作ったりローレライのマネージャーになったりと、間を取り持つために行動をしてきました。
しかし、その行動のせいでより仲を悪くしたんじゃないかと落ち込みます。
やったことの結果が、志帆を怒らせていたのは間違いなかったですし、そこにアキが乗っかったことでより悪化したと言えなくもないので難しいところですね。
ひまりは基本的にポジティブな方なので、落ち込むことはあっても立ち直りが早いので暗くなっている場面は少ない印象です。
ちょっと多かったのは依に告白されて、自分にとっての「好き」や恋人になることについて考えていた時(3巻ぐらい)でしょうか。
それと比べても今回は自分の好きな人達を巻き込んでいるということが、ひまりにとってより落ち込むことに繋がっていると思います。
そんなひまりを励ましたのも、SSやローレライの先輩たちでした。
ひまりのしてきたことに間違いがないとは言っていないものの、それぞれの立場からひまりのしたことには意味があったとひまりを励ましていてよかったです。
この関係も、ひまりが繋いできたものなので、その関係がひまりを励ますものになっているというのは、これまでが決して無駄じゃないというように感じられてよかったです。
最終的には志帆もひまりの行動に『ありがとう』といっていますし、ひまりのしてきたことは、それぞれにとっては必要なことだったんだろうなと思いました。(これに関してはなんとも言えませんが…)
そんな中で一番ひまりを元気にしたのはやはり依でしたね。
依との学園祭デートのときはもちろん、依が色んな人に好かれていることを知って嫉妬してしまったときも、ひまりに駆け寄って安心させていました。
やっぱり、この2人の関係が一番落ち着くなと改めて感じました。いや志帆とひまりもいいんですけどね。
私自身、ストレートに好き同士でゴールする話が好きということもありますので、ここ2人については、このままこじれずストレートにいってほしいです。
おわりに
ということで「ささ恋」8巻の紹介・感想でした。ついに始まった文化祭。色んな意味で長かったですね。
というか、段々と「ささやく」というよりも声を大にしてストレートに伝えている気がします。ささやく要素が小さくなってきているような…今巻で言えばミキの吹奏楽部の先輩でしょうか。
こっちにも頑張って欲しいですね。
今巻の私のオススメの場面は
- 手紙を破って泣く志帆(第36話)
- クッキーに感動した真理(第38話)
- ローレライのライブシーン(第40話)
です。ぶっちゃけ今巻もすべて最高だったんですけど、あえて3場面選んでみました。
志帆の失恋シーンについては見開きでセリフもなくその表情が描かれていたので、より心にきました。
真理については文化祭中の癒やされシーンのです。今回全体的にシリアスだったので偶に挟まるこういうシーンに癒やされました。
特に真理は本編ではあんまり感情を出さないタイプなので、クッキーを食べたときの笑顔が印象に残りました。
ライブシーンはこの作品の見どころなので言わずもがなです。
特に、すべてを振り切った表情をした志帆の表情は裏側を知っているので苦しい気持ちもある反面その迫力に圧倒されます。
ほかの場面も最高な場面ばかりでした。
次巻はついに学祭編のクライマックス。SSGirlsのライブと対決の結末になります。(多分)
この状態でアキはライブできるのでしょうか。おそらく依のお陰で持ち直すと思いますが。今回は傷も深そうなので心配です。
そしてみんなの関係がどのような形で収まるのか、恐くもありつつ楽しみです。
すでに次が待ち遠しいです。
あとがき
内容がシリアスだったので上には書かなかったのですが、依の執事服スタイルかっこよすぎじゃないですかね。
元々クール系の顔立ちですし、身長も高いので、男装がとても似合うと感じましたが、にしてもかっこよかったです。
この格好でひまりに迫るのはただの美男美女のカップルなんですよ。最高ですね。
たまにはこういう格好をしてほしいと思ってしまいます。(本人は絶対に嫌でしょうが)
さて今回の好きなイラストですが、第39話の表紙イラストです。
表紙と同じアキと志帆の2ショットになります。
このときのハサミを持つ志帆がアキとのつながりを断つことの表現だと思うと、しんどいです。しかも断ち切ってもう戻らないことも示しているように感じました。
この2人はこのまま決別ししてしまうのか、それがこの学祭編の見せ場だと思っているので楽しみにしたいです。
それではまた次の作品で。
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