はじめに
こんにちは、トビです。
今回紹介する作品は、竹岡葉月先生原作、フライ先生漫画の「今日、小柴葵に会えたら。」1巻です。
外面完璧女子の『成田佐穂子』(佐穂子)とボーイッシュ天然女子こと『小柴葵』(葵)の2人を中心に展開されるラブストーリーです。
高校2年生編と大学3年生編という2つの時間軸で話が進むというのはあまりない感じで面白いです。
流れ的に主軸が「高校2年生夏編」、解決編が「大学3年生冬編」というようになっています。
高校で友だちになったはずの冒頭で佐穂子と葵が一緒にいないことから、何かあったということがすぐに分かります。
高校生という「子ども時代」どんな事が起こり、成人という「大人」になった2人がどのような再会をするのか、先が気になります。
作品名 | 今日、小柴葵に会えたら。 1 |
作者 | 原作:竹岡葉月 漫画:フライ |
発売日 | 2019年7月29日 |
定価 | 660円(税込) |
発行 | 株式会社一迅社(REXCOMICS) |
あらすじ
高校2年の夏、完璧な外面にこだわる養殖女子『成田佐穂子』は、体育会系の天然女子『小柴葵』に興味を持つ。
葵と友だちになりたい佐穂子はさっそく仲良くなろうと試みるがうまく行かない。
しかし、ふとした事故でキスをしてしまう。
それをきっかけにより佐穂子は葵に近づこうとする。
そんな様子に葵は少しづつ心を開いていく。
そして時は流れて大学3年の同窓会。
少し大人になった佐穂子は、あることを確かめるために葵に会いたがっていた…
養殖女子と天然女子の2人が織りなすラブストーリー、第1巻
感想
外面にこだわる残念美人佐穂子
今作の主人公の佐穂子。
ここにくるまでにも繰り返していますが、外面に命をかけている女子です。
本人曰く、中学時代は超絶地味子だったとのこと。
どんな感じだったのかは今巻では出ていませんが、わざわざ「超絶」と言っているから芋っぽい感じでしょうか(失礼)
ちょいちょいでる素の声とか表情に「陰」のものの気配を感じます。
そこから一念発起して、キラキラ女子になるように外面を仕上げた結果、高校では人気の高い『稲葉杏那』(杏那)、『渡辺理湖』(理湖)と並んで人気者なっています。
佐穂子自信、周りの注目を浴びていることに優越感を感じています。
本人は頑張っているつもりでしょうけど、中身を知っていると残念美人感が強く感じます。
外面は完璧な佐穂子ですが、個人的に性格的には悪い方だと感じています。
葵に近づこうと思った理由が、最初は人気者の葵と友だちになって自分のレッテルを良くしようとしていたことでした。(若干の誇張が入っているかもしれません)
また、昔の自分のような女子と葵が話しているのを見て勝手に『価値が下がるからダメ』と決めていたりしています。
というか、シンプルに悪口を(心のなかで)言っています。
昔の自分にコンプレックスを抱えているということだと思いますが、なんだか過剰に『地味なこと』を毛嫌いしているように感じました。
自分のことを「養殖女子」といっているのも、そのコンプレックスの裏返しでしょうかね。
キラキラした高校生活に憧れたというのもあると思いますが、にしても言い過ぎではないかと思います。
このあたり、一念発起した理由と合わせて語られたりするんでしょうかね。
そのあたりの詳しい理由が知りたいですね。
本心が見えない葵
そんな佐穂子が憧れる天然女子こと葵。
元バスケ部ということもあり、男子に交じって遊ぶような体育会系の女子です。
…普通に考えると、高校生で男子に混じって遊ぶってわりとすごいような気もします。
思春期の時期って色々と気にする時期だと思うんですが。
葵自身の性格ゆえか、周りの男子が前からの付き合いでどういう人物なのか知っているからなのか…
普通に葵も美人というか、かわいい女子に入ると思うので、「意識しない男子がいないなんて嘘でしょ⁉」と勝手に思ってしまいます。
そんな葵ですが、個人的な印象としては「何を考えているか読みづらい」と感じました。
男子にも女子にもフラットに接しているように感じる葵ですが、色々と複雑な事情を抱えています。
そのため、続けていたバスケットをやめて高校では家庭科部に入っています。
そこでも持ち前のコミュ力で付き合っていますが、個人の事情については部の人たちには言っていないように感じます。
まあ、事情的に言い辛いというのもありますし、気を使わせることをしたくなかったと思います。
ただそれにしても、話していることに感情を感じづらいというか、本心から話していないように感じます。
勝手な印象ですが、その場のノリとかに合わせて話しているような印象を受けました。
ただ、後半にの佐穂子に苛ついているところや、小柴家に連れてきた後の反応は本心から話していると感じました。
葵自身、佐穂子と話すときは段々と素を見せていいと思ってきたのでしょうか。
これもキスをした効果でしょうか…。
今巻は佐穂子目線だったので、葵目線の心情も知りたいですね。
おわりに
ということで、「今日、小柴葵に会えたら。」1巻の紹介・感想でした。
意外とこういう話は少ない気がしますね。
個人的に好きなポイントは、
- 注目されて気分のいい佐穂子(第1話)
- 葵が部活に来ないことが不満な佐穂子(第3話)
- 佐穂子の一言で涙を流す葵(第5話)
です。
1番目は学校で注目されて気分が良くなっている佐穂子の顔です。
心の声が漏れ出ている佐穂子の顔が面白くて好きです。
中学時代の陰のもの感がすごく出ているように感じます。
個人的に外面よくしようとすましている顔より、こっちの本性の方を出したほうがいいと思います。
本人的には絶対に嫌でしょうが。
2番目は、葵のいる家庭科部に入部したのはいいものの、結局あまり会えない佐穂子です。
特に今日も来ないと聞かされたときの顔が、いつもの顔よりかけ離れすぎていて逆に好きです。
なんかの肖像画っぽい。
ちょいちょい本性の出て、擬態しきれていない感じが憎みきれないです。
3番目は葵の事情を知った佐穂子が葵に何気なく一言かけたときの場面です。
この時、佐穂子は葵に『えらい』ということを言われています。
多分、今までそういうことを言われていなかったんじゃないかと思います。
そしてそれは、葵が言われたかった言葉だったんだと思います。
それを言われて、いままで抱えていたものが溢れたんだと考えると心に刺さるシーンです。
そこから、葵との距離も近くなったように感じました。
ここまで仲良くなったにも関わらず、大学3年生時点では疎遠になっている2人。
環境が変わって疎遠になることはありますが、それだけではないように感じます。
高校時代に何があったのか、楽しみにしていきたいです。
あとがき
そもそもフライ先生が好きというところからこの作品を読み始めました。
いつ見てもイラストが神だと思っています。
最高のイラストを漫画という物語で見ることができる。個人的にそれだけでも最高です。
というか「キラキラしていない」って言われている文化部のみなさんも普通に顔が良くないですか。
この世界の顔面偏差値が高すぎる…好き(直球)
さて、今回の特に刺さったイラストは、第0話の見開きのカラーページです。
佐穂子グループと葵グループの女子計6人が並んでいるイラストです。
この距離感と関係性的には、1巻の終了前後でしょうか。
まだ、それぞれのグループからと言う感じがして、距離感を感じます。
それでも、佐穂子と葵は手を伸ばしていて、触れるか触れないかの距離感になっています。
葵がまだ戸惑っているような感じで、どう接したらいいか悩んでいるような顔で、珍しい表情のようにも感じます。
この距離感が先の巻ではもっと近づいていくのか、楽しみにしていきたいです。
それではまた次の作品で。
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