はじめに
こんにちは、トビです。
今回紹介する作品は、深海紺先生の「恋より青く」1巻です。
好きなことが見つけられず退屈な日々を過ごしている女子高生『高峯司』(高峯)と本好きで高峰とは別の高校の『咲倉詩織』(咲倉)本を通した放課後の交流を描いている作品です。
こういう丁寧に交流を積み重ねていく作品は動きは少ないですが、人間関係を丁寧に作っている感じがして好きです。
絵のタッチも柔らかい雰囲気で作品の内容とあっているように感じます。
一つのものをきっかけに仲良くなっていく作品は、いくつかあるような気がしますが、他校の生徒というのは少ないかなと思います。
しかも電車の中だけの交流。特別感がしていいですね。
少しづつ放課後だけから進んでいく2人の交流がどうなっていくのか、楽しみです。
個人的にオススメポイント
- 好きな本について話せて嬉しくなる佐倉(第1話)
- 日向が咲倉の連絡先を交換しているところをみた高峯(第3話)
- 高峯のことを肯定する咲倉(第6話)
- 休日の待ち合わせを「遠足」という咲倉(第7話)
作品名 | 恋より青く 1 |
作者 | 深海紺 |
発行日 | 2023年9月19日 |
定価 | 825円(税込) |
発行 | 株式会社ホーム社(COMICOGYAAA‼) |
あらすじ
好きなことが見つけられず、放課後を持て余していた女子高生・高峯。
ある日、電車の中で本を取り違えたことから、本好きの他校の生徒・咲倉と本を通した交流が始まる。
放課後の電車の中で交流を深めていき、本を通した関係から少しづつ互いに惹かれていき…。
関わるはずのなかった2人の少女が、名前のない関係を育んでいく。
感想
好きな本について話せて嬉しくなる佐倉
最初の好きな場面は、第1話より、好きな本について話すことができて嬉しくなっている咲倉です。
高峯と咲倉が本を取り違えた次の日、すぐに再開した2人。
恐る恐る話しかけた咲倉に、高峯が反応してくれたことですごく喜んでいました。
その前のコマまでは目がメガネに隠れて見えていなかったので、そのコマからの印象がすごく残りました。
ここで高峯が咲倉をちゃんと見たということなのかと思いました。
自分の好きな作品を読んでいる人がいると知ったら、嬉しくなる気持ちもわかります。
最初恐る恐る話しかけただけでも、すごく勇気のいることですし、それができるだけでもすごいなと思いました。
私だったら、同じ状況に出会ったとしたら、お礼までは言っても、そこから話しかけたりできなかっただろうなと思います。
この巻のラストのおまけで、本を取り違えた時点で高峯のことを気になっていることが描かれています。
咲倉自体、そうやって本について話せる人を求めていたのかもしれません。
この巻を通してですが、咲倉の学校に関する話はほとんど出てきていないので、友達と言える人も少ないのかなと思います。
だから、話すことができて余計に嬉しかったんでしょうね。
そう考えると咲倉に対して「良かったね」と声をかけたくなる気持ちです。
日向が咲倉の連絡先を交換しているところをみた高峯
次は第3話より、連絡先を交換する日向とそれを見る高峯です。
高峯の様子が変わったことを不思議がる高峰のクラスメイトの『日向』『羽鳥』『廣瀬』の3人。
「恋人ができたのではないか」と怪しんだ日向は羽鳥、廣瀬を連れて高峯を尾行します。
結果、咲倉と初対面することになります。
日向は持ち前の明るさとコミュ力で一気に咲倉との距離を縮めます。
そして、先に知り合っていた高峯よりも先に連絡先を交換して、名前を知ります。
その時の高峯の表情が呆然としているというか、ショックを受けているというか、なんとも言えない表情をしていて面白かったです。
その前に連絡先を聞こうと思っていた矢先だったので、若干複雑な心情だったのかなと思います。
高峯自体、一人でも大丈夫と思えるタイプの人だと思うので、自分から積極的に話す方じゃないと思います。
その高峯が自分から連絡先を聞こうと思っていたというのも、咲倉に惹かれていっているということのあらわれだと思いました。
後、この時高峯の名前を知った咲倉の反応が恋する乙女のような反応で可愛かったです。
一人でこっそり『司ちゃん』と呼んでいるのがかなり可愛かったです。
その後は結局いつも通り2人とも名字+さん付けですが。
名前呼び回への期待度が勝手に高まっています。
高峯のことを肯定する咲倉
次は、第6話より、高峯のことを肯定する咲倉です。
自分にとっての好きなものや夢中になれるものが無い高峯は、それを持つ人達に憧れていました。
おそらく、「何もない自分」というものが嫌いだったのかなと思います。
それに対して、咲倉は高峯のことをよく知らないと言いながらも肯定します。
『高峯さんは 人の好きを大切にしてくれる人です』
『恋より青く』1巻より引用
この言葉とてもいいなと思いました。
自分にとっての好きを大切にしてくれる人って、本当にありがたいと言うか、嬉しくなるんですよね。
完全に理解はできないにしても、好きなものを否定せずに受け入れるのは、その相手にとっては自分が肯定されているような気持ちになります。
私自身、自分の好きなものが否定されたら悲しいですし、肯定されたらとても嬉しいです。
そう思うと、高峯の行動は咲倉や廣瀬にとってとても嬉しかったんだろうなと思いました。
以外に、こういう自然体で受け止めてくれる人って少ない気がしますので、いいなって思いました。
私も、相手にとっての好きを受け入れるような行動を取りたいと改めて感じました。
休日の待ち合わせを「遠足」という咲倉
最後は第7話より、休日の待ち合わせを「遠足」という咲倉です。
放課後以外でも会いたいと思った高峯が、咲倉を土曜日映画館に誘います。
まあ、映画に行くことになったのは結果論なので、どういうやり取りがあってこの予定なったのかは不明です。
7話の内容を見る限り、高峯が誘った後、咲倉が「好きな作品が映画になる」的な話をしたのかなと思います。
傍から見たらデートと思うようなことなのに、それを遠足と言っているの、そういうのとは無縁だったのか、無自覚なのかなと思いました。
しかも、直前に日向がデートみたいって思っている直後に咲倉のこのセリフだったので、本当にデートと思っていないんだと思ってなんとなく面白かったです。
高峯自身がどう思っているかは、わかりませんが、描写からするとなんとなく咲倉と同じのような気がします。
個人的には映画になったのが意外に感じました。
原作のある映画とはいえ、この2人の関係上、遊びに行くとなると本に関わるところに行くと思っていました。
それだけ咲倉が気になっていたのかなと思います。
にしても、このときの高峯、慣れていない映画の予約を自分からしていたり、『一緒なら楽しい』と意識させるようなこと言ったり、行動がイケメンだなと思いました。
それだけ、咲倉と放課後以外に会うことが楽しみというように感じました。
放課後以外にあって関係がどうなっていくのか、楽しみです。
おわりに
ということで、「恋より青く」1巻の紹介・感想でした。
ゆっくり友情を育んでいく作品は心が洗われるようです。
そんな高峯と咲倉の関係を見ている廣瀬のこれからも気になります。
『ふ~~~~~~ん』とか『なーんだ』とか言っている心の中での反応が面白かったです。
次巻の発売予定はみていですが先が楽しみです。
あとがき
最近小説読む体力が落ちてきたなと感じています。
ライトノベルの感想がかけておらず大変申し訳なくなる思いです。
買ってはいるんですがなかなか読み込むことができず感想にたどり着かない…。
もっと積極的に本を読むようにしていきたいです。
さて、今巻の個人的に好きなイラストですが、第3話のイラストです。
本を読んでいる(ように見える)高峯とその顔を見ているような日向、羽鳥、廣瀬です。
3人共高峯のことが気になっているような表情をしていて、面白かったです。
特に廣瀬は本編同様興味なさそうにしながらも顔を見ているので、やっぱり気になってるんだろうなということがわかります。
そしてアップで改めてわかりますが、高峯顔がいい。
日向が「高峯くん」と呼んでいるがなんとなくわかる気がします。
でも本編を読んでいると乙女のような感じもしていて可愛いです。
もっと色々な表情が出てくればいいなと思います。
それではまた次の作品で。
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