はじめに
こんにちは、トビです。
今回紹介する作品は、矢村いち先生の「声がだせない少女は「彼女が優しすぎる」と思っている」12巻です。
ついに音の失声症の原因との対峙になります。
そんなここ一番のシリアスですが、いつもどおりの雰囲気が流れていたので、楽しく読み進めることができました。
菊野、中村、習志野の初期友達がいい人たちすぎる。
これが音が声をなくして先で見つけたつながりなんだなと改めて感じました。
話は重いですが、いつも以上に人に優しくなろうと思える今巻だったと思います。
個人的おすすめポイント
- 平常運転な4人組
- 音の先生に話す菊野の思い
- 声をなくした音が手に入れたもの
作品名 | 声がだせない少女は「彼女が優しすぎる」と思っている 12 |
作者 | 矢村いち |
発売日 | 2023年11月8日 |
定価 | 726円(税込) |
発行 | 株式会社秋田書店(少年チャンピオン・コミックス) |
あらすじ
音の先生に会いに行くことを決めた音達。
会いたいと思う一方、先生に会うことが怖い音。
そんな中、一人先生を見つけた菊野は先生と話し合う。
そこに合流した真白たちは…。
過去のトラウマと対峙する、第12巻。
感想
平常運転な4人組
真白の先生に会いに行くことになった4人。
みんな緊張している…と思いきやいつも通りワイワイ行動していました。
そんな状態を不思議に思う菊野。
一人だけシリアス継続している感じでした。
そして目的の駅についてそうそう迷子になる真白。
あまりの平常運転に菊野も思わず笑ってしまいます(苦笑いの類ですが)
最初は習志野あたりが気を利かせていたのかとも思っていましたが、あの人そんなことしませんね。(失礼)
中村あたりはなんだかんだ気を使っていそうですが。
こんな感じで内容はシリアスハズですが、そこまで今までの話のような流れで進んでいくため、重くなりすぎずに読むことができました。
流石に駅について再会が近づいてきてからは段々と重くなってきたようにも感じましたが。
どんなときも「いつも通り」の話のテンポで進んでいっていて、作品の雰囲気の良さを改めて感じました。
音の先生に話す菊野の思い
他のメンバーより一足先に先生を見つけて家に行くことになった菊野。
そこで先生に真白の現状を話します。
また、先生から真白のことをどう思っているのかを聞き出そうともしていました。
あんなに嫌がっていた自分の能力を最大限使っている感じがしました。
一度失った経験があるから、自分の能力を前向きに捉えることができているだと改めて思いました。
個人的に先生が真白に謝罪して真白が『前を向けるように』と言ったときの反論がとてもかっこよくて印象に残りました。
『うぬぼれんな
貴方の言葉1つで彼女の傷がなかったことになるなんて…
彼女にとって貴方はそんな大きな存在だなんて…
私は 認めない』
『声がだせない少女は「彼女が優しすぎる」と思っている』12巻より引用
ここで『私は』とはっきり主張しているのも含めてとても好きです。
確かに真白に取って大きな影響を与えた存在だったかもしれないですけど、それは過去のことであって、今の彼女とは違うということだと思っています。
失声症になって彼女に菊野を含む友達ができたのは、真白が頑張ったからということも入っていると思います。
あくまで先生のところに来たのは、真白の抱えているものを少しでも晴らしたいということで、それで全て解決するということじゃないです。
それを含めてのセリフだと思います。
この後、真白が自分にとってどんな存在かを話している場面もとても良かったです。(最後のオチも含めて)
声をなくした音が手に入れたもの
そしてついに先生と真白の再会。
最初は何を話そうか迷っていました。
しかし、習志野が先生に殴りかかったことで緊張が溶け、自分の伝えたかったことを話し出します。
というか、習志野、無言ノーモーションで殴りに行っていてびっくりしました。
ちょっと暴力的すぎませんかね…
というか菊野も当たらなかったことちょっと残念に思っていましたし。
やっぱり菊野も殴りたかったんだなと思いました。
それはさておき、真白が先生に伝えたかったことは、先生からもらった手紙に書いてあったことでした。
そこから、真白は自分の『友達』について語りだします。
心に傷をおって、失声症になった真白ですが、菊野を始め多くの友達ができていました。
それまで辛いことがたくさんあったはずですが、先生への話の最後の締めが『幸せ』と言っていたことに感動しました。
声をなくしたことそのものはいいことではありません。
でもそのことから目を背けず、前向きに行動していったからこそ、今の真白の人間関係があると思います。
そんな真白の強さと、今の思いを知ることができてとても良かったです。
おわりに
ということで、「声がだせない少女は「彼女が優しすぎる」と思っている」12巻の紹介・感想でした。
今回はそれぞれの思いを聞くことができて過去一感動の巻だったかなと思います。
前回がそれまで以上に笑いに振っていたような気もしますけどね…。
そんなこの作品ですが、次巻で最終巻とのことです。
なんとなく近い気がしていましたがやっぱりかと思いました。
13巻って結構続いたよなとしみじみ感じました。
終わってしまうのは寂しいですが、最後まで楽しく読んでいきたいです。
あとがき
今回のイラスト紹介ですが、表紙が最高すぎたのでそこについて話したいと思います。
菊野の肩によりかかる真白です。
作中では最後の第137話ぐらいでしょうかね。
このときの安心しきっている真白と優しく見つめる菊野のそれぞれの表情が最高です。
なんだか私服だといつもより大人っぽくも感じます。(特に真白)
ほんとこの距離感が最高すぎます。
このままずっといちゃついていてほしいです。
次でこの2人絡みが見られなくなると思うと寂しいです。
最後までしっかりと見ていきたいです。
それではまた次の作品で。
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