はじめに
こんにちは、トビです。
今回紹介する作品は、桜木蓮先生の「アネモネは熱を帯びる」2巻です。表紙の後ろから凪紗抱きつく茉白、最高ですね。
向かい合っているけどアイマスクでお互い目を合わせていない1巻から、アイマスクは外している茉白の顔を見られない凪紗。
凪紗の気持ちの変化を表していてとてもいいです。
凪紗が抱いた「好き」がどういうものか悩んでいて、それが言葉となって出てきたラストは途中の交流も含めて尊かったです。
1巻から薄々感じていましたが、今回の茉白も感情が重いですね。隙あらば抱きつこうとしているような気がします。
こういう物語ではよくあることかもしれませんが、ふたりともお互いに依存してきているような、そんな危うさを感じます。どうかなにも起こらないよう祈るばかりです。
今巻から新しい登場人物も出てきて、今後の物語にどのように関わっていくのか楽しみです。
作品名 | アネモネは熱を帯びる |
作者 | 桜木蓮 |
発売日 | 2021年12月10日 |
定価 | 693円(税込) |
発行 | 株式会社芳文社(まんがタイムきららフォワード) |
あらすじ
茉白への気持ちが「嫌い」から「好き」に変わった凪紗。
でも、まだ顔はみられないーー。
初めて「好き」を知る少女が紡ぎ出す
圧倒的濃厚百合世界 第2巻
(『アネモネは熱を帯びる 2巻』あらすじより引用』)
感想
凪紗が抱いた「好き」
1巻で「嫌い」だった茉白のことを「好き」になった凪紗。でもまた茉白の顔が見られなくなり、理由が分からず困惑します。
ただ今までと違って、目を合わせられないということではなく、顔を見た時に心臓がバクバクして耐えられないということでした。
もうこの時点で恋に落ちてしまっているんだと思います。凪紗はそのあたり鈍感だと思うのですぐには気づかなかったんだと思います。
茉白と2人のときは基本的に赤くなっているかドキドキしているような感じでしたので、可愛い場面が多かったです。
1巻の凪紗は茉白を好きになるべく頑張って色々していたような感じでしたので、カッコいい場面が多かった気がします。
今巻はその逆だったので、ギャップを感じて良かったです。
それでもやっぱりカッコいい部分も出ていていました。
特にカッコいいと思ったのは茉白にテスト勉強を教えるときに言ったセリフですね。
『絶対いい点数取れるよう 私も頑張る』
『任せて』
『アネモネは熱を帯びる 2巻』より引用
頭のいい凪紗だから言えるこのセリフは表情と相まって最高でした。
そして、ここから凪紗が茉白に抱いていた「好き」を自覚していく流れが良かったです。
茉白の家に行った時に茉白から『大好き』と言われて同じように「好き」と返そうとして言えなかったところから自覚していたんだろうなと感じました。
教室で一人、アイマスクをつけて茉白に対しての感情を改めて考えて、「好き」の意味に気づいた凪紗の表情が今巻で一番好きです。
そこからのお互いに言い合う『会いたかった』は本当に尊かったですね。そのままずっといちゃついてほしい。
茉白が抱く「好き」
1巻でも凪紗にぐいぐい距離を詰めていっていた茉白ですが、今巻もその勢いは止まってません。
テスト勉強のために凪紗の家でお泊り勉強会を開くことになったとき、凪紗の妹達(咲と雫)と張り合っている場面は特にそれを感じました。ここの『仲良しだもん‼』はめちゃめちゃ可愛いです。
手を繋いだり、ハグをしているときの茉白はかなりイキイキしていました。この時点で凪紗が好きなことが伝わります。
ちなみに、このときの凪紗はドキドキしたり顔が赤くなっていました。いつも通りです。急に手を繋いだときのびっくりした反応が面白くて可愛いいです。
そしてその夜、2人で一緒のベッドに入って寝る時、(これも凪紗の妹と張り合っています)凪紗が寝たことを確認して頬にキスをします。いやもう積極的すぎてすごいですね。
というか凪紗、寝られる気がしないと思いながらガッツリ寝ていましたね。それだけ疲れた(色んな意味で)ということだと思いますが。
もしくは茉白のほうが意識してから眠れなかったということでしょうか。茉白の心理描写はあまり出ないため読みきれないです。
その後の体調崩して学校を休んで、凪紗が家に来た時、凪紗にしてほしいこととして手をつなぎながら汗を拭いてもらったりしています。
このときに『離れないで…』と言っている茉白が可愛いです。凪紗が家にまで来てくれたことが本当に嬉しかったんだと思います。
そこから部屋のソファに2人で座って凪紗によりかかっていく(抱きついていく)ところも尊くて癒やされます。まんざらじゃない凪紗も合わせて、幸せが広がっている空間でしたね。
そして、学校でお互いの名前を言い合うのもベタですけど最高です。しかもお互い何度も名前を言い合っている。最高かよ。
ただ、その後茉白が凪紗と別れた後のセリフで
『私の好きは もっともっと好きの好きなんだよ…』
『アネモネは熱を帯びる 2巻』より引用
と言っていました。凪紗への恋心が溢れている場面ですね。
今の関係のままじゃまだ足りない、もっと近い関係(=恋人)になりたいと思っているんだと思います。
おそらくこのときの凪紗の「好き」も茉白の「好き」もおなじものだと思いますので、2人の思いがすれ違ってしまっているように感じました。
これがマイナスの方向に行かないことを願うばかりです。このまま2人でイチャイチャしていてほしいですね。
終わりに
ということで「アネモネは熱を帯びる」2巻の紹介、感想でした。今回も濃かったです。
お互い思いを伝えたようで、微妙にすれ違っている気持ちがこれからどうなっていくのか、楽しみです。
また、今巻から登場した保健室の先生の「朱里」と生徒会長の「南条水希」(水希)の関係も気になります。
本編では生徒会長しかほとんど絡みがなく、2人のやり取りがしっかり出てきたのは最後のおまけでしたが、こうした年の差の百合もいいです。
しかも先生と生徒というギリギリの関係、燃えますね。
座ったまま頭を撫でる朱里の顔かなりカッコいい。これは水希がキュンとなるのも仕方ない。
今巻の私個人的な推しポイントは
- 茉白にドキドキする凪紗
- さらに距離を詰める茉白
です。結局のところここに行き着いてしまいますね。
メインの2人以外にもこれから濃厚百合世界が展開されていくと思うと楽しみですね。
それではまた次の作品で。
あとがき
今巻では、カバー下に中学生時代の凪紗と茉白が載っています。どっちも可愛いですね。
凪紗は中学生のときからなんだかすでに大人っぽいですね。妹達の世話をしてきたからか、大人になるのが早かったのかと思います。
茉白は逆に中学生らしい、あどけなさが残っている顔ですね。セーラー服姿も可愛いです。ぱっと見体が弱そうには見えませんね。
あとタイトルに「アネモネ」が入っているからか、途中で花の画が入っているのがいいです。各キャラの美しさが引き立たされているように感じます。
こうしたカバー裏の画とかは紙の単行本でしかない場合もありますので、そういうのを考えるとやはり紙で買いたいと思ってしまいます。本をめくるのも好きですし。(前に話してたらすみません)
こうしたちょっとしたところについても、隅々まで読んでいきたいと思います。
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