
はじめに
こんにちは、トビです。
今回紹介する作品は、冬芽沙也先生の「彼女のイデア」3巻です。
完結巻になります。
2巻で和解しただけあって、いとと澄花の信頼感がすごかったです。
途中宮奈との一件はどうなるかと思いましたが、いとの活躍がすごかったです。
そこから一気に話が進んで、急いで畳んだようにも感じましたが、いとと澄花の物語としてはこの終わり方がいいのかもしれませんね。
個人的には、澄花の母親との確執がどうなったのか気になるところではありますが…。
とはいえ、ハッピーエンドで終わってよかったです。
個人的オススメポイント
- 澄花に聞かれて「好き」と答えるいと(第13面)
- 澄花の事情を察するいと(第14面)
- 宮奈さんと直接あいに行くいと(第15面)
今回いとの活躍多くて惚れそうになる…
作品名 | 彼女のイデア 3 |
作者 | 冬芽沙也 |
発行日 | 2021年1月9日 |
定価 | 737円(税込) |
発行 | 株式会社KADOKAWA(電撃コミックスNEXT) |
あらすじ
澄花の家庭の状況を知り、再開したいと。
互いの本音を話、その距離は以前よりも近づいていた。
そんな中、澄花にスキャンダルの話が出てきて…。
芸能人とそのファンの、名前のない関係。
その先に待つ未来は。
理想と現実に悩む少女たちの物語、最終巻。
感想(ネタバレあり)
澄花に聞かれて「好き」と答えるいと
好きな場面の1つ目は、澄花から好きかどうか聞かれて『好き』と答えるいとです。
スキャンダルの一件と同作品に出演している宮奈さんからの言葉に揺られながら、以前自分へ言われた『好き』の意味について澄花に質問したいと。
まあ、この時点ですでにスキャンダルとかはなんの問題もないと解決していたので、メインは澄花が自分をどう思っているのかということでしたが。
そこから逆質問する澄花もどうかと思いますが、それに対して、今自分の目の前にいる澄花のことも『好き』と言ったいとがとても良かったです。
以前のいとじゃはっきり言うことはなかったと思うので、成長を感じました。
ここから、澄花といとの『好き』が同じものかどうか確かめるために、キスをする場面は個人的に最高に盛り上がりましたね。
見たかったものを見れた感じです。
私の「好き」も伝えていい?
「彼女のイデア 3」より引用
澄花のこのセリフと表情いいですし、なんとなくこの後の状況を悟っているいとのこの後のいとの表情もとても良かったです。
ここでお互いの信頼感がマックスになったように感じました。
澄花の事情を察するいと
次は、宮奈との件について、澄花が話す前から「理由がある」と思っているいとです。
一つ前の感想のキスの場面を写真で取られてしまった澄花。
そのことを理由にいとに迷惑をかけられないことから、宮奈と「仲のいい友達」を演じることになります。
事情を話せず苦しんでいたときにいとから連絡があり、事情を話すことができています。
そもそも澄花がいとに話す前から、いとはネットに出ていた澄花と宮奈さんとの関係に不信感を持っていました。
ネットに出ている写真だけで笑顔が不自然なことを感じるとか、完全に家族とか恋人の距離感ですね。
しかも、澄花と実際に話すことになったときに、澄花から説明される前に澄花を安心させています。
わかってます
何か理由があるんですよね?
大丈夫ですよ
「彼女のイデア 3」より引用
ほぼ一片の曇りもなく、澄花に全幅の信頼を寄せているの、あまりにも澄花への理解度というか信頼感がすごくてもうかっこいいです。
本音で「好き」と語りあったからこその信頼ですね。
いやホント一気に大人になったように感じます。
しかも、その後まるで探偵のように発信元の情報を怪しんだり、自分で解決に動こうとしていて、もはや生まれ変わったぐらいの勢いです。
はじめの方の自身のなかったいとはどこにいったのか。
この物語で一番成長したのはいとだなと感じた瞬間でした。かっこよすぎますね。
宮奈さんと直接あいに行くいと
最後は、澄花の件について、宮奈に直接話しにいったいとです。
澄花に宮奈との一件を聞いた後、直接宮奈さんに会いに行くことを決めたいと。
『私のお願いも聞いてもらってもいいですか?』
『私に任せてほしいんです』
『彼女のイデア 3』より引用
このときのいとの頼もしさがすごいです。
直接聞ければいい→行きますの流れが早すぎる。
ちょっと頼もしくなりすぎじゃないですかね。
そして宮奈と直接話し合いをするいと。
いとと澄花のキスの写真をまだ持っていることを盾に脅します。
それに対して、いとはなにも気にしてないかのように対応します。
あの写真は別に公表していただいてもかまいません
写真が公表されたらあなたたちが離れる理由もできますから
『彼女のイデア 3』より引用
いとが本当に強い。
若干無敵に人みたいになっていますね。
はったり聞かせているからと言っても、脅しに対応して毅然と対応していたのはすごかったです。
澄花のためということもあったと思いますが、すごく成長したなと思いました。
それを聞いた澄花も、いとが話したらという理由で脅しに全く動じず、写真を公表していいと言っています。
お互いに対する信頼がブレないこととを感じて見ていて気持ちよかったです。
逆にここまで来て、この段階では恋人とかそんなレベルじゃなかったのがすごいです。
おわりに
ということで、「彼女のイデア」3巻の紹介、感想でした。
それぞれの成長が一気にきたような巻でした。
澄花が杏奈に言った『理想じゃない』というセリフはこの物語を象徴する言葉だなと思います。
理想と現実のギャップや、人との関わりについて改めて考える事ができる作品だと思いました。
私の感想だと軽く見えるかもしれませんが、色々と考えることができる作品ですので、ぜひ読んでほしい作品です。
あとがき
最終巻とはいえ、ここまで一気にいとが成長するとは思いませんでした。
なんだか悪い意味に聞こえてくるかもしれませんが、2巻から成長を感じていたので、唐突感は感じませんでしたね。
それまでの積み重ねがあったからこそ、澄花の一件で一気に成長したという感じでしょうかね。
成長には色々な経験が必要だなと改めて感じました。
さて、今回のイラストですが、第16面のタイトルのイラストになります。
澄花といとが向かい合って笑い合っているイラストです。
ここに来るまで短かったような、長かったような、ちょっと不思議な感じです。
この前後ぐらいからようやく本心で笑い会えるようになっていたので、ここでようやく色々収まってこんな笑顔ができるようになったんだなと思いました。
ようやく心からの笑顔を向き合えるようになったことを感じてよかったです。
この先の未来も一緒にいることが先で出されているので、色々あったけど一緒になれてよかったと思えます。
やっぱりハッピーエンドはいいですね…心が救われる。
それではまた次の作品で。
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