はじめに
こんにちは、トビです。
今回紹介する作品は、サスケ先生の「偽りのマリィゴールド」1巻です。
たまたま読み切りの1話を読んだところ、内容が私好みだったので発売を心待ちにしていた作品です。
亡き兄の文通相手である『漆原りり』のために、自分を兄である『香住薫』を演じようとする『香住華』の物語です。
時代的には大正ぐらいでしょうか。
この時代は浪漫が溢れているイメージからか物語の舞台となることが多いですね。
こういう、相手の幸せのために自分を騙すような話は、基本的に暗い雰囲気で話しが進んでいくので好きです。
たまにメリーバッドエンドもありますがそんな結末も含めて好きです。
まだ始まったばかりではありますが、正体がバレたときにどうなるのかというのがやはり一番の見所かなと思います。
内容的にすぐにバレそうな気もするので、そこからどうなるか、今からすでに気になります。
ちなみに、タイトルにもなっている「マリィゴールド」ですが、色々な花言葉があります。
ポジティブな意味としては、「変わらぬ愛」「信頼」「濃厚な愛情」「友情」「変わらぬ愛」などがあります。
ネガティブな意味としては、「嫉妬」「絶望」「孤独」などがあります。
作品に関係ありそうな花言葉を抜粋しましたが、どれをとっても面白そうです。
ちなみに作者コメントでは「絶望」が切り取られていました。
一番やばそうなものを出してきましたね…
前が「偽りの」ということで意味が反転しそうで、さらに面白くなりそうですね。(単純に第1話で出た匂いのことだとも考えられますが。)
作品名 | 偽りのマリィゴールド |
作者 | サスケ |
発行日 | 2023年8月25日 |
定価 | 726円(税込) |
発行 | 株式会社KADOKAWA(月刊コミックキューン) |
あらすじ
香住華は亡き兄、香住薫の文通相手である漆原りりに兄の訃報を伝えるために会いに行っていた。
そして、もし兄を誑かしていたなら相手を殺し、自分も死ぬことを考えていた。
りりは盲目でありながらも純粋に薫を慕っていた事を知る。
さらに、薫が無理をしていたのは自分のせいであったことを知り、自ら命を断とうとする華。
しかし、りりを独りにしてはいけないという思いから、自らを薫に成り代わることを決意する。
『みせるから幻(ゆめ)をー』
偽りから始まる2人の少女の物語、第1巻。
感想
「薫」になろうとする華
兄の薫のことを本気で愛していたであろうりりの様子を見た華は薫に成り代わることを決めます。
目が見えないからとはいえ男と女、バレる可能性は高いんじゃないかと思います。
むしろ最初によく疑われなかったなと思います。(初めて会ったときの華は着物だったので)
薫に成り代わることを決めた後にりりに会いに行くときは、さらしで胸を潰し、薫の服を着て会いに行っています。
薫に「似せる」のではなく「本人」になるために続けている姿は、自分を罰しているかのようです。
おそらく、その通りだとは思うんですが、読んでいて心が痛くなります。
ただ、家族とはいえども全く別の人間なので、多くの問題が発生します。
今巻で最も大きく、その違いに触れているのが第3話からで、『そもそも兄はどういう人間なのか』ということです。
りりから、好きな食べ物や趣味について聞かれますが、どんなものが好きか分からない薫は困惑します。
私自身兄弟はいますが、『何が好きか』など言われて、全て即答できる自信はありません。
ある程度これが好き、あれが好きなどは知っていますが、改めて『好きな食べ物は?』と聞かれるとなんだろうと思います。
私自身、好きな食べ物について尋ねられても即答できません。
というのも、カレー、ケーキなど大きな分類では好きなものは答えられますが、『その中で特にこれ』となると答えられません。
個人的にはこういうときに、明確に「これが好き」とかって言える人がどれくらいいるのか気になります。
話がそれましたが、「兄」のことを何も知らない華は、それでも薫になろうとします。
個人的には華として接したほうがいいんじゃないかとも思うんですけどね…
その日が来ることを読み続けて待ちたいです。
薫のことが好きなりり
そんな薫のことを慕うりりは、繰り返しているように目が見えないです。
ですが、本人はそんなことを感じさせないくらい明るいです。
それは、薫という存在があったからこそです。
それを華も感じているからこそ、りりを悲しませないために偽っているんだろうと思います。
ただ、りりに関して、少し気になっていることもあります。
「本当にりりは華を薫と思っているのか」ということです。
薫とりりが知り合ってどれくらいなのかは正直わかっていませんが、文通をしていたくらいなので、ある程度お互いの事情は話していたと思います。
実際、薫に妹がいることも知っていましたし、家庭のことなど踏み込んでしっていたように思います。
そんな中改めて「好きな食べ物」や「興味のあること」を聞くというのはなんだか不自然なようにも感じます。
食べ物ならまだしも、趣味とかについてはある程度聞いていたと思います。
そう考えるとなんだか不自然なように感じます。
また、別の考察でもありましたが、「足音とかにも特徴が出る」という話がありました。
視覚が不自由な方は、それ以外が敏感になるという話はよく聞きますので、そう考えると足音や声とかで違和感を感じそうな気がします。
本人のキャラ的に純粋無垢っぽいのでそこまで考えているかはわかりませんが…。
展開が早く動くので、知らなかったとしても次くらいではもう知ってそうな感じもします。
知ったときのりりの反応や華がどう動くのか、楽しみです。
おわりに
ということで、「偽りのマリィゴールド」1巻の紹介・感想でした。
後々不安になりそうな展開が多くて辛い…
いや1巻の終わり方の時点ですでに辛いんですが。
もう早く続きが見たいです。
個人的に特に良かった場面は、
- はじめての「りり」呼び(第1話)
- 華が初めて薫の格好をした場面(第2話)
- 食事をするりり(第5話)
です。
第1話のラストの「りり」のシーンは華の悲しみと決意が見えてとても好きな場面です。
このときはまだ読み切りの時でしたが、ここで一気に「続きが見たい」と思いました。
このとき、華が少し泣いているのも個人的には好きなところです。
2つ目は第2話の冒頭ですね。
私、男装の令嬢とかとても好きなので、こういう場面があるとなんだかんだテンションがあがります。
個人的にはめっちゃかっこいいと思っていますが、内容がとても重いので素直に喜べません…。
このとき、華はどんな思いで袖を通したんでしょうね…。
3つ目は数少ない癒やされシーンです。
作品の内容的に基本重いので、たまに入ってくる癒やされシーンが心にしみます。
9割ぐらいがりりになるような気がしますが。
その中でもこの食事のところは、若干デフォルメが入っているせいか、いつもよりも顔が丸くなっていて可愛くなっています。
さらに効果音がついているので、さらに癒やされました。
もうこんなんでいいんじゃないか…。
淡々とシリアスが続いていくこの作品。
先々みんなの表情が明るいシーンが増えていってほしいです。
今冬に2巻が発売になるとのことですので楽しみです。
あとがき
気になるというほどではないですが、刃物の出番多すぎないですかね。
しかも大体凶器としてでてくる。
まだ被害者は出ていませんが、作品の特徴上出てきそうで怖いです。
さて、個人的に好きなイラストをいつも出していますが、イラストというイラストが口絵
ぐらいしかなかったので、上では書いてなかった場面をもう一つ話します。
第4話ラストのりりが華に寄りかかって読み聞かせを聞いている場面です。
5話掲載されている中で唯一と言っていいほど穏やかな終わり方です。
単行本だとすぐに第5話が始まるのでホント一瞬ですが。(冒頭もあれなので)
このとき、どこまで薫の声に寄せているのか気になります。
普通に読んでいるとすぐに女声になりそうな気がするので、感づかれそうな気がします。
ただ、多分とても優しい声色をしているんだろうなと想像してしまします。
こんな場面が続いて欲しい…
そんな願いを込めて今回は終わりにします。
それではまた次の作品で。
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