はじめに
こんにちは、トビです。
今回紹介する作品は、大熊らすこ先生の「ハッピーセピア 大熊らすこ作品集」です。
大熊らすこ先生は2023年の秋アニメだった『星屑テレパス』の作者です。
その作者の3作品になります。
表題の「ハッピーセピア」がメインであり、あとは短編2作になります。
恩人の家庭教師と一緒に高校に通うためにタイムトラベルする話です。
これだけ書くとだいぶ話がぶっ飛んでますね…。
SF要素ありですが、「元気っ子×クール系」の王道百合で内容も個人的にかなり好きな内容でした。
というか、終わり方すごく続きが気になる終わり方になっていて、続きが読みたいと思いました。
こっちも続けてくれないかな…。
個人的にオススメポイント
- 先生の教えを過去の先生に
- 王道のすれ違いと和解
作品名 | ハッピーセピア 大熊らすこ作品集 |
作者 | 大熊らすこ |
発行日 | 2023年11月27日 |
定価 | 990円(税込) |
発行 | 株式会社芳文社(まんがタイムコミックス) |
あらすじ
今年から高校生になる「かえで」は、大好きな「みなみさん」に家庭教師として勉強を教えてもらっていた。
そんなある日、みなみから「一緒に高校に通ってみたかった」ときく。
みなみは教員採用試験に落ちたショックもあり、自分の高校時代を後悔していた。
そのことを知ったかえではなんとか一緒に高校生活を過ごせないか探し、タイムトラベルにたどり着く。
タイムトラベルをしたかえではそこで、過去のみなみに出会う。
最初は警戒されていたが交流を重ねて少しづつ近づいていく…。
表題「ハッピーセピア」とその他短編2本を収録した作品集。
感想
先生の教えを過去の先生に
物語の始まりは、高校生になった『鳩ヶ谷かえで』(かえで)が家庭教師の『砂守みなみ』(みなみ)から「一緒に高校に行けたら」というところから始まります。
なんとかみなみと一緒に高校に行きたいと思ったかえでは調べていった結果、「タイムトラベル研究所」というところにたどり着き、タイムトラベルをすることを考えます。
…普通に見たらめちゃめちゃ怪しい気がするんですけど、よく行こうと思ったなと思います。
なんとなくかえでは、ひとつの目標に向かって後先考えず突っ走るタイプなので、怪しいとかよりも、「これで過去のみなみさんに会える!」としか思っていないように感じます。
というか、よく見たらタイムトラベルしたのかえでで3人目なんですよね。
この前に2人もした人いたのか…。
この辺は作品の味付けみたいなものなので特に理屈とかその辺は語られていませんが、どういう理屈なのか気になりますね。
そんな感じで過去に来たかえでは高校時代のみなみと出会います。
過去のみなみは「堅物な優等生」みたいな感じで、現在のみなみとまるで雰囲気が逆でした。
10年で性格ってこんな変わるもんなんですかね。
根がネガティブなところは変わっていませんでしたけどね。
大学時代とか、家庭教師をしているときに変わっていったんでしょうか。
これがかえでの家庭教師をしていく中で丸くなっていったとかだったら最高にエモいですけどね。
そんな堅物のみなみに、かえでは自分が「みなみさん」に教わったことを伝えて、高校生活を一緒に楽しもうとします。
かえでと関わって少しづつ笑顔が増えていくみなみが可愛かったです。
いや、現在のみなみも可愛いですけど。
少しづつ関係の輪が広がっていくのもとても良かったです。
私も、高校のときは友達との遊びを断ることも多かったので、もう少し遊んでいたほうが良かったかなと思うときがあります。
社会人になったら、学べないこともたくさんあると思うので、楽しめるときは全力で楽しまないとなとここ最近改めて感じるようになりました。
王道のすれ違いと和解
順調に仲を深めているように思えたかえでとみなみ。
しかし、「友達」という言葉からすれ違いが起こります。
まるで恋愛漫画の王道かのようです。
恩人のために頑張りたいかえでと自分に優しくしてくれる理由が分からないみなみでは、すれ違いが起こるのは仕方ないのかなと思います。
特にかえでの大人のみなみと高校生のみなみのどちらも大事というような考えは、タイムトラベルものでは問題になりそうなところだよなと思いました。
特に今回の場合は、過去の行動が未来に影響している感じですし、何が原因で未来が変わるかもしれません。
かえでの場合はそこまで考えてはいないと思いますし、今作も特にここには触れていないので気にするところではないですが。
また、短編だったので、解決するのも早かったです。
まあ、こういうモヤモヤする展開は早く解決するに限りますが。
お互いが相手のことを思ってのすれ違いって心がしんどくなりますが、解決したときのカタルシスが大きいので、個人的には好きです。
仲直りの場面はもはや告白かとも思いましたけどね。
2人とも可愛かったです。
おわりに
ということで「ハッピーセピア」の感想でした。
綺麗にまとまっていて個人的にはとても良かったですが、最後の最後に爆弾が落とされましたね。
こんな続きが読みたくなるような終わり方にしないでくださいよ…。
ここまで来たら続き書くしかないんじゃないでしょうかね…。
また短編2本に関しては、書いたことがほぼネタバレ同然なので今回は割愛しますが、
どちらもとても良かったです。
特に『星屑テレパス』の短編は本編を読んでいるとさらに共感できました。
もう一作の作品も、ペットが擬人化する作品で、ゆるふわな雰囲気がとても良かったです。
なにかの形で続きが出ないか楽しみにしていたいです。
あとがき
さらっと紹介した『星屑テレパス』ですが、私は残念ながら視聴環境が整っておらず見ることができませんでした…。
気になりすぎた結果、全巻まとめ買いするという行動に出ました。
一気に4巻まで読んだのですが、主人公の海果の成長を一気に感じることができてよかったです。
というか登場人物が基本的にいい人しかいないです。
優しい世界…。
にしては内容が思ったよりもシリアスが混ざっていてとても引き込まれました。
逆に全巻まとめて買ってよかったかもしれません。
2,3巻の終わりとか先が気になりすぎる…。
1月13日現在全4巻発売中ですので、ぜひこちらも読んでみてください。
さて、今回のイラストですが表紙のイラストにはなりますが、表紙そのものではなく、中にあるセピア色調のイラストです。
「セピア色」は「ごく暗い赤みの黃」の色となっているようです。
ぱっと見は茶色がかかったように見えます。
昔の写真が、時間が立つと色が薄れてセピア色になっていったことから、「懐かしい思い出」としてセピア色が使われるようになったようです。(どこまで本当かソースはありませんが)
そんな色をした表紙は、本編の先であったことなのかもしれません。
下の方でこっそりピースしているみなみがかわいすぎる。
かえでが過去のみなみにあった思い出なのかもしれませんし、みなみが高校時代の思い出として残ったものかもしれません。
それを想像するだけでなんだか泣けてきます。
この2人の話の続きがホントに気になります。
話の流れ的にシリアスになりそうなので怖いですが…。
『星屑テレパス』で知った方も、初めての方も楽しめると思いますのでぜひ読んでみてください。
それではまた次の作品で。
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