はじめに
こんにちは、トビです。
今回紹介する作品は、一ノ瀬けい先生の「花唄メモワール」1巻です。
タイムスリップものです。きらら作品だと珍しいですかね。
風呂でタイムスリップって某ローマを思い出しますが…こちらは旅館なので根っこは違いますけどね。
勝手な思い込みかもしれませんが、タイムスリップもので季節まで違うものってあんまりないと思います。
そのあたりまで含めてなにかあるのかと思います。
あとこういう物語は、どうしても生まれた時代や場所が異なっていて、主人公も自分の場所に帰らないと行けないから完全なハッピーエンドになり辛いんですよね…
きららだから大丈夫だと思いたいんですが、きららフォワードだからメリーバッドエンドの可能性もありそう(偏見)
これからどんな展開になるのか楽しみなる作品です。
作品名 | 花唄メモワール |
作者 | 一ノ瀬けい |
発行日 | 2023年8月9日 |
定価 | 759円 |
発行 | 株式会社芳文社(まんがタイムきららフォワード) |
あらすじ
高校最後の夏休みを迎えた主人公『佐々木梅』(梅)。
梅は「自分にしかできない何か」を見つけられず将来の進路について悩んでいた。
そんな時、ひいばあちゃんが営む旅館「花瀧屋」にバイトとして呼ばれる。
到着初日のバイトを終え、露天風呂に入った梅は足を滑らせて湯船に落ちる。
旅館で働く少女『藤野』に助けられた梅だったが、そこは大正14年の師走の花瀧屋だった。
帰る方法がわからない梅は、何とか旅館で働かせてもらうが…。
花瀧屋を舞台に未来(かこ)と過去(みらい)が交差する。
感想(ネタバレあり)
時を超える梅
主人公の梅は露天風呂で足を滑らせて湯船に落ち、大正時代にタイムスリップします。
最初は夢だと思っていましたが、夢ではないとわかると、現代に戻る方法を探します。
最初にタイムスリップした方法で戻ろうするのは、考えそうなことだと思いますがなんとなくやっている印象が薄いです。
ビルに落ちたりとか間違えたら死ぬかもしれないものが多いので、やらない人が多いだけなのかもしれませんが…
何とか当時の女将に懇願して花瀧屋においてもらう事になった梅。
現代とのギャップに苦労しながらも仕事に一生懸命取り組む姿は、ひいばあちゃんが言っていた梅の長所そのものでした。
ネタバレになりますが、この後、現代に戻ります。
…いや、原因がわかって戻れたということではなく、このときも湯船に落ちて(落とされて)気がついたら戻ってきています。
今回のタイムスリップの鍵が温泉ということはわかりますが、理由がはっきりしないですね…。
無事現代に戻ってきたことで一件落着…とはなりません。
とあることを知ったことにより、梅は再び大正の時代に戻ることを決めます。
最初の方からなんとなく感じていましたが、梅の行動力すごいですね。
一度決めたら即行動のその気持、まるで熱血主人公です。(主人公ですが)
ちょっと先走りやすいところもありますが、他人のために行動できるいい子ですね。
見てて元気なれる主人公なので応援したくなります。
これからの活躍にも期待したいです。
他のキャラと今後の展開
こういったタイムスリップものは、どこに伏線やら答えが入っているのかわからないので隅々まで探して今後の展開を考えたくなります。
ということで今後の展開を(勝手に)考えていきたいと思います。
おそらく色々と知っていそうなのはひいばあちゃんですよね。
第一唄の言動の時点で訳知りの言動がかなりあります。
そもそも梅が花瀧屋に来たのも「絶対来なさい」と言ったことが理由ですし、その日の夜に梅に「いってらっしゃい」っていったのも知っていたからだと思います。
となると、大正時代の花瀧屋のメンバーの誰かということになるかと思います。
個人的には『ひいばあちゃん=藤野』説があり得るかなと思います。
理由としては、『おばあちゃんは100歳超で大正12年(1923年)は100年前』ということです。
物語の舞台の大正12年は令和5年から数えるとちょうど100年前です。
梅の時代は令和4年8月なので1年ズレていますが、もうすぐ大正13年になること、1年以来に事件が起こることを踏まえると100年前でカウントしていいと思います。
そしておばあちゃんの年齢は100歳を超えています。(性格な年齢は不明)
大正では梅と同年代で出てきたのは藤野だけです。
アイリスもいますが日本人ではないので、流石に違うかと思います。
なんとなくこのあたりはしっくりくるかな~って思ってます。
これから同年代キャラが出てくる可能性もありますが、2巻以降のキャラにするかなという疑問もあるので可能性があるのは藤野だと思います。
まあ、そう考えると色々と矛盾が出てきてしまいますけどね。
色々と穴がある考察なので「こんな意見もある」程度でいいと思いますが。
にしてもひいばあちゃん訳知り顔すぎるのですが…
そして気になる業務日誌。
自分の名前がないことをで「自分がいったら変えられるかもしれない」と思っています。
ただ、個人的には梅が書いたものじゃないかとも思っています。
大正時代に女将に持たされて書いたか、この業務日誌がそのまま大正時代においていったか…。
文章の書き方が梅の口調と似てるような気がするんですよね。
まあ、自分の文字ならわかるでしょうし、読んでいるのが本人だからだと思いますが。
やっぱりこういう考察向いてないかもしれません。
ただ、色々と考えるのは面白いので、これからも考察頑張っていきたいです。
おわりに
ということで「花メモ」1巻の紹介、感想でした。
個人的に好きな場面は
- 梅と藤野の初めての邂逅(第一唄)
- 信じてくれないと思い、本当のことを話せない梅(第一唄)
- アイリスが風呂に来たときの驚いた梅(第二唄)
です。
初めての出会い(露天風呂ですが)での出会いの場面はやっぱり印象的ですね。
この作品、キャラの目がとても綺麗でとても好きです。
それを最初に感じたことは場面だったので、印象に残りました。
本当のこと=令和の時代から来たことを言っても、信じてもらえないと若干諦めかけた場面です。
基本的にポジティブな梅ですが、このときは少し絶望したような表情になっています。
それだけ、タイムスリップしてきたこと、現代に帰れないことがショックだったんだと感じました。
それがとても印象的で残りました。
驚いた梅は完全にネタです。
梅が驚いたときに出る言葉と表情がネコっぽくてとても好きです。
それ以外にも魂が抜けるような反応や、現代にあるものがなかったときにでるリアクションなど反応が豊富で見てて面白いです。
その中でも好きな露天風呂の場面を出しました。
色々考察したくなる、先の気になる物語となっています。
2巻が早くも2023年9月(1巻刊行の約1ヶ月後)に発売します。
これからの展開がとても楽しみです。
あとがき
この作品、言葉の使い方がかなり綺麗です。
思い出(メモワール)、未来(かこ)、過去(みらい)…
1巻の内容だけでもすごく心に来るのに、最終回までみたらどんな気持ちになるのか…
もしかしたら泣くかもしれません。
さて、今巻で好きなイラストですが、第四唄の表紙画です。
滝を挟んで背中合わせの梅と藤野です。
梅に珍しい物憂げの表情だったり、周りの水の表現だったり、それぞれ綺麗でとても好きです。
後表情の見えない藤野ですが、どこかに手を伸ばしているようにも見えます。
どこに、誰に手を伸ばしているのか…それも本編に関係してくるのか…
色々と考えたくなるイラストです。
謎や意味がわかったときのカタルシスがすごそうですね。
それを楽しみに読んでいきたいです。
それではまた次の作品で。
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