はじめに
こんにちは、トビです。
今回紹介する作品は、坂先生原作、雨霰けぬ先生漫画の「ある魔女が死ぬまで 終わりの言葉と始まりの涙」1巻です。
タイトルからしてもうおつらい。
見習い魔女の『メグ・ラズベリー』(メグ)が余命1年と宣告されるところから始まります。
自分の死が近づくということで不安が襲ってきてもおかしくないですが、基本的にメグが明るい性格なので楽しく読むことができます。
ただ面白いだけじゃなくて、「命」を取り扱っているからか、感動する話もあります。
ギャグと感動のバランスがとても良くて読んでいてとても満足感がありました。
原作は小説ですが、漫画ならではの表現がとてもコミカルで面白かったです。
どのキャラクターも個性的で嫌味なキャラも出てこないので、ストレスフリーで読むことができます。
面白くて心に残る話を読みたい人にオススメな作品です。
個人的オススメポイント
- ポジティブモンスターのメグ
- 作品を彩る様々な魔法
- 《嬉し涙》を通して見る人の心
作品名 | ある魔女が死ぬまで 終わりの言葉と始まりの涙 |
作者 | 雨霰けぬ(原作:坂、キャラクター原作:コレフジ) |
発売日 | 2023年7月27日 |
定価 | 737円(税込) |
発行 | 株式会社KADOKAWA(電撃コミックスNEXT) |
あらすじ
魔法と科学、魔女と人間が存在している世界。
そんな世界のイギリスの田舎町に住んでいる見習い魔女のメグは、17歳の誕生日に師匠であり、永年の魔女『ファウスト』からあることを言われる。
それは、後1年後にメグにかけられた呪いが発動してメグが死ぬということだった。
それを回避する方法は、《嬉し涙》を千粒集めて《命の種》を作ること。
メグは自分の死の未来を回避するため、《嬉し涙》を集めることになる。
思い出の春の雪、思い出の時計、そして別の魔女との出会い…
様々な経験を通して、メグは成長していく。
余命1年の見習い魔女が紡ぐ優しい軌跡の物語、第1巻。
感想
ポジティブモンスターのメグ
主人公であり、七賢人の一人・ファウストの弟子のメグは17歳の誕生日に1年後に自分が死ぬことを伝えられます。
当然死にたくないと思ったメグはその未来を回避する唯一の方法である《嬉し涙》を集めることにします。
ただ、《嬉し涙》は純粋なものでなくてはなりません。
当然、簡単に集めることはできません。
ただ、そんな中でもポジティブモンスターことメグは基本明るく過ごしています。
ちょっとテンションがおかしくなることもありますが、死にたくないという気持ちの、気持ちの切り替えが早いです。
まあ、最初は「死」に対する実感が薄かったというのもありますが。
そんな感じで余命宣告されているとはいえ、メグ自身悲壮感が出ていないので、物語は基本明るいです。
本人が暗くなるべきイベントを周りが行っているようにも感じますが…。
それも相まって、話自体は暗いものも多いですが、暗くなりすぎずに読むことができてよかったです。
後、のデフォルメが面白くて好きです。
顔もさることながら体まで細くなったりしていて面白かったです。
作品を彩る様々な魔法
今作は魔法が残っている世界なので、魔法が見どころの一つです。
詠唱や魔法陣など、王道ファンタジー系の魔法です。
一方、杖は出てこないです。詠唱とかあるものだと杖を使うものだと思っていたので勝手に「以外だな」と思っていました。
バトル作品ではないので、たくさん魔法が出るわけではないですが、その分1回1回の魔法の印象がとても強いです。
メグも見習いながら魔女なので魔法を使いますが、その一つ一つがとてもきれいです。
最初の魔法の「幻影を見せる」魔法では、たくさんの桜の木が現れる場面が見開きで描かれており、とてもきれいでした。
呪文の詠唱の内容も(当然ですが)意味のあり、かつ魔法らしい言葉になっていてとても良かったです。
メグの魔法は、呪文の一つ一つを丁寧に言っている感じでしたが、七賢人であるファウストや祈は、長い詠唱をしていなかったので、このあたりは実力の差というものを感じました。
一方、この世界の魔法は「思いの強さ」なども関係しているのかと思います。
最初の魔法では、メグが想定していた以上に壮観になっています。
それは、メグが魔法を使う相手を思って使ったからなのかなと思いました。
《嬉し涙》も人の純粋な思いが形になったものですし、そういった「人の思い」がこもった魔法は普通の魔法よりも特別なのかなと思いました。
《嬉し涙》を通して見る人の心
物語のキーアイテムである《嬉し涙》。
人が純粋に喜んだときにしか出ないものです。
それを集める物語なので、一つ一つの物語がとても重たいですし、心に来ます。
思い出の景色、思い入れのある時計など、嬉し涙につながる話の一つ一つに感動しました。
だいたい、こういうお話って人の人生が関わってくるからなおのこと心に来ます。
ギャグと感動のバランスが本当にうまい作品だなと感じました。
メグ自身、自分の死がかかっているので、いろんな人の人生を通して、自分の呪いに向き合っていくとかそんな感じになるのかなと思いました。
でもそれ下手したらメグ運命変えられずにそのまま死ぬんじゃ…。
この先が楽しみでありつつ少し怖いですね。
おわりに
ということで、「ある魔女が死ぬまで 終わりの言葉と始まりの涙」1巻の紹介・感想でした。
私自身、ニコニコ静画から見始めたのですが、1話1話の物語がとても良くて、原作の小説まで買いました。
小説もメグそのままの勢いでとても面白かったです。
1巻だけなので買いやすく読みやすいと思います。
漫画の方も、ニコニコ静画で先を読むことができるので、気になった方は先にそっちから読んでみてもいいかもしれません。
2巻以降に掲載される予定の話のとても好きなものが多いのですでに楽しみです。
あとがき
『ガールズ&パンツァー 劇場版 第4話』見に行きました。
3話の衝撃の終わりからの4話でどうなるかと思いましたが、とてもおもしろかったです。
もしかしたら劇場版でいま1番好きな話かもしれない。
主人公チーム以外のキャラがかなり活躍していたのがとても良かったです。
さて今巻のイラストですが、特に好きだったのがカバー下のイラストです。
表紙のイラストとは逆の姿になって寝ています。
ついでに表情もギャグ顔になっています。
表紙の美少女はどこに…。
ほんとメグって黙っていたり真面目な顔だと美人だよなと感じます。
そういう場面が少ないですけどね。
一方、ギャグっぽく描かれているカバー下ですが、その頭にはたくさんの百合の花があります。
「花枕」と言われる故人の枕元に飾る花のようになっているのがなんだか不穏です。
しかも百合の花自体、葬儀などの使われる花だということで、意味がわかると怖いものみたいになっています。
なんでこんなギャグ調で不穏なものかけるんでしょうか…天才すぎる。
コレが最終回で現実にならないことを祈りたいです。
それではまた次の作品で。
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