はじめに
こんにちは、トビです。
今回紹介する作品は、あらた伊里先生の「雨でも晴れでも」2巻です。
なんで最近の新刊じゃなくてちょっと前の作品に今ハマっているんでしょうか…私が知りたい。
美古都と猫崎さんの距離が離れたり近づいたり忙しい巻でした。1巻では好意の重さが猫崎さんの方が重いように感じていましたが、美古都も結構重たいということを感じました。
美古都の方から積極的に会いにいったり、キスをしたりしていて、行動力あるなと改めて感心しました。
猫崎さんも美古都の「友達でいたい」ということにこだわっていますが、美古都と会っただけで笑顔になったり、思いを知るために大胆な行動を取っていたり、明らかに友達以上の関わり方をしているように感じました。
これで無自覚なのか…。「下着になって」と言われた時の美古都の混乱っぷりは面白かったです。
また今巻では、昭和歌謡レコード部の辺銀と獅子丸の2人の関係が大きく変わります。
喧嘩からの公開告白って流れが完全に主人公では…。
てか公開告白を校内新聞で回すのは流石にどうなんでしょうか…
結果的にカップルになったから良かったですが。
この2人の過去全然イメージが違っていて驚きました。お互いがその時のお互いを意識したイメチェンしているように感じたので勝手に尊みを感じていました。
でも中学生の時の辺銀が美少女過ぎる…今の天然っぷりからは想像できないです。
そんな2つの関係が大きく変わる2巻でした。
作品名 | 雨でも晴れでも |
作者 | あらた伊里 |
発行日 | 2021年3月27日 |
定価 | 737円 |
発行 | 株式会社KADOKAWA(電撃コミックスNEXT) |
あらすじ
「おまえは、このこともーあのときみたいに忘れちゃうのかな」
有頂天部の部員獅子丸 愛梨と辺銀 律。
ふたりは学年も、趣味も寝る部屋までも同じ。
ケンカばかりなのに決して離れようとはしない彼女たちが、求めあう関係はー。
「もう私たち、元の仲には戻れませんから」
「雨でも晴れでも 2」あらすじより引用
感想
近くて遠い美古都と猫崎さん
猫崎さんのことを友達以上に好きと自覚した美古都。「友達以上」に思っていることから猫崎さんのことをもっとよく知りたいと思います。
一方の猫崎さんは逆に「友達」でありたいと思っているので、これ以上自分中に踏み込ませないようにと考えていました。
このお互い好きだけどなかなか近づかない感じは、じれったいけど好きですね。
というかなんでここまで両思いですれ違うのか…基本猫崎さんが過去の出来事をこじらせているせいですが。
それなのに美古都への甘さは相変わらず…それは美古都もドンドン好きになっても仕方ないかと思います。
そんな2人の場面で好きなのは、「はじめに」で書いた頭が追いついていない美古都も好きですが、一緒のベッドで寝るというイベント(?)のほうが個人的には好きでしたね。なんで猫崎さん下着なの?
意識している相手と一緒のベッドで横になったらそれは意識しますよね。このときの美古都の反応が可愛くて好きです。
その思いを抑えきれず、美古都は猫崎さんにキスをしてしまいます。そのタイミングで起きる猫崎さん。タイミングが悪すぎる。
というかなんで好きな人と一緒にベッドには入ってすぐ寝れてるんですか。健康優良児過ぎる。
そのあとすぐにトラブルが起こったたためすぐにはなにも怒らなかったですが、この後しばらく美古都が猫崎さんを避けるようになり、すれ違います。
と思えば次は逆に猫崎さんが美古都を避けるようになる。すれ違ってばっかりですね。
それがあるかこそ、ラストの2人のシーンが色々な意味でディープになっています。
ここまで言ったら次はもう結婚でしょうか?
ただ、まだ猫崎さんの過去の件が解決していないので、それがどうなるかも関わってくると思います。
そのあたり最後どうなるのか、それも楽しみです。
辺銀と獅子丸の過去と今
そして今巻で大きく関係が変化した、辺銀と獅子丸の昭和歌謡レコード部の2人。
基本喧嘩してばかりの2人が校内で告白をして付き合うことになりました。
文字にしてみたら情報量がえげつないですね。どっからツッコミを入れたらいいのやら。
この2人、高校に入る前から知り合いだったということを知ってびっくりしました。
たまたま高校入る前からか知っていて、好きなもの(昭和歌謡レコード)が同じで、寮の同室。改めて要素を抜き出してみると運命的にも程がある。
まあ、今回その最初からの知り合いというところのボタンの掛け違いがあって喧嘩になっていましたが。
その結果学校で告白して恋人になる…。もうこっちが主人公ではというくらいの勢いです。
9話で辺銀が告白した後、夜に獅子丸に出会ったときの過去を話しているところがとても好きです。
その前にも美古都にも獅子丸とのことを話していることから、一緒にいる時間が本当に好きなことが伝わってきました。
馴れ初めを聞いていると、一言も出てきませんでしたが、どっちも一目惚れだったんだろうなと感じました。
それにしても、どっちも愛が重いと同時に、その振り切り方の方向性が変な方向に言っていました。
獅子丸は自分のことを覚えていなかった(勘違いでしたが)辺銀に対して、何を言っても傷つかないことにイライラして、痕を残そうと無理やりキスをしました。
辺銀は初めての会ったときの獅子丸が嫌な過去があったんだと思い、高校で会った時はそれを思い出さなくていいように『はじめまして』から関係を始めたいとしていました。
変な方向性に力を注いだのせいで色々とこじれた結果が今巻の騒動に繋がっています。
最初から本音で話し合っていたらこんな騒ぎには…いつも喧嘩しているから普段は無理か。
喧嘩するほど仲がいいといいますし、(にしても喧嘩し過ぎな気もしますが)これからも同じような調子で進んでいくんだろうなと感じる関係でした。
椿と藤崎の特別な関係
2巻では、美古都と猫崎さんの進展と辺銀、獅子丸の進展が物語の中心となっています。
そんな中、猫崎さんと同室の椿と、教師の藤白との関係や馴れ初めも語られています。
そこで改めて椿の苦労人っぷりがあらわになっています。周りがちょっと倫理観が狂っているせいでほとんどのツッコミを任されている椿の心労が溜まっていく…
基本的にボケ倒す人が多すぎて、椿がいるところではほぼ一人ですべてのツッコミを担っています。不憫過ぎる。
美古都とか夜空(寝袋がない時)とかほかにも一応ツッコミができる人もいるんですが、特に夜空は寝袋を被っているとボケに回りがちなので基本ツッコミが少ないですね。
そんな椿は藤白と付き合っています。普通の関係ではないことは1巻から描写されていましたが明言されたのは今巻が初めてだったと思います。
今回、藤白の解説があったのですが、作中でも人柄について椿から指摘されていましたが、『倫理観ポイ捨て』とか色々書かれていて笑いました。作者公認のダメ人間…。
なんで椿好きになったん…。たまにあるダメ人間を好きになる人間みたいな性格なんでしょうか。
あんまりいうと猫崎さんもダメ人間みたいに聞こえてしまう。
ただ、藤白も椿の前でタバコを吸わないといった気遣いをしていたり、椿のことを見ていたりと好きなんだろうなという描写はみることができます。それ以上にマイナスが大きいだけで…
逆に椿は藤白と別れたら別のダメ人間に捕まるだけでは…この2人はこのままでいたほうが両方幸せになれると思います。
おわりに
ということで、「雨でも晴れでも」2巻の紹介、感想でした。
辺銀と獅子丸の喧嘩を美古都と猫崎さんが聞きながら、それとは別にお互いギクシャクしながら関係が進んでいくのが個人的に良かったです。
というかタクヤと夜空の2人が付き合っているとさらっと出てきたのは良かったんでしょうか…。
1巻のおまけでしているから、この2人の話はそこまで深掘りしないということなんでしょうかね。
さて、今巻の個人的な推しポイントは、
- 辺銀の言葉に勝手に刺さる美古都(P54)
- 上着だけきて相談に乗る猫崎さん(P56)
- 猫崎さんの言葉に理解が及ばない美古都(P139)
です。別にネタに走ったわけではないですよ。
全部好きですけどその中で厳選したらこの3つになったという感じです。
全3巻なので次がラストですね。
美古都と猫崎さんの関係がどうなるのか次も楽しみです。
それではまた次の作品で。
あとがき
自分で書きながらちゃんと本の紹介になっているでしょうか。
自分の好きを伝えて、それで人に興味を持ってもらえたらと思っていますが、なかなかに難しいです。
もっと人に興味を持ってもらえるように頑張りたいです。
さて、今巻で特に気に入ったイラストは9話の終わった後のイラストです。P106ぐらいでしょうか。
美古都を探しに来て見つからなくてしゅんとしている猫崎さんです。本編でもあった場面ですが、猫崎さんに耳と尻尾がついています。
タクヤから『飼い主のいない犬』と思われていますが、有頂天部の方々基本猫崎さんのこと『にゃんにゃん』ってよんでいますよね?
犬か猫かはっきりさせましょうよという意味も含めてこのイラストが好きです。
まだまだ上手く紹介できていないこと、文章が下手なところなど改善すべきところはたくさんありますが、少しづつ改善できたらと思っています。
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