はじめに
こんにちは、トビです。
今回紹介する作品は、萩埜まこと先生の「熱帯魚は雪に焦がれる」3巻です。
こっちも久々ですね。(電子書籍のセールを狙っているせいですが)
小雪が小夏に初めて会ったときに声をかけられた理由を尋ねるところから始まります。
人押し何かあれば一気に近づきそうなのに、うまく噛み合わずにすれ違っています。
読者視点から見るとどうしてもじれったくなる場面が多いですね。
リアルな人間関係も同じような感じだと思うので、個人的には共感できるんですけどね。
それを踏まえても今回も可愛い場面が多かったです。
楓がいいこすぎる…。
コミュ力高い陽キャって物語的にもいい動きをするので、好きになりますね。
もどかしくも色々キュンキュンくる巻でした。
作品名 | 熱帯魚は雪に焦がれる 3 |
作者 | 萩埜まこと |
発行日 | 2018年8月25日 |
定価 | 638円(税込) |
発行 | 株式会社KADOKAWA(電撃コミックスNEXT) |
個人的ポイント
- うまく答えられずお互いに悶々とする小雪と小夏(第9槽)
- 小夏が部活に来なくてダメな小雪(第10槽)
- 気持ちがすれ違う小雪と小夏(第12槽)
あらすじ
水族館部に所属する小雪と小夏。
お互いのことを知りながら少しづつ仲良くなっていた。
そして夏祭り、小夏は小雪に初めて会ったときに声をかけてくれた理由を尋ねる。
それに小雪は…。
そして夏休みが終わり、文化祭の準備が始まる。
そこで小夏はハマチショーを行いたいという。
小夏の思いを聞き、ハマチショーをすることを決めた小雪。
しかし、それからまたすれ違っていき…。
孤独を抱える2人の少女が織りなす物語、第3巻。
感想(ネタバレあり)
うまく答えられずお互いに悶々とする小雪と小夏
夏祭りの花火が上がる中、小夏は小雪に初めて会ったときのことを尋ねます。
『初めて会ったあのとき…どうして私に声をかけてくれたんですか?』
『熱帯魚は雪に焦がれる 3」前巻までより引用
前巻で「不必要に声をかけない」と話していたことから、気になっていた小夏。
もし、自分と同じように「特別な出来事」感じていたら嬉しいと思い、思わず聞いてしまったことになります。
小夏にとって、小雪との出会いは「運命」のようなものに感じていたと思います。
そう考えると、小夏から小雪への感情もだいぶ重たく感じますね。
それに対して、小雪はとっさに答えを出すことができず、『勢いで』と答えます。
この答えだけ聞くと、小雪にとっては何でも無いことのように感じていたように思います。
小夏もそのように受け取ってしまい、落ち込んでしまいます。
一方、小雪ももっと良い答えがあったんじゃないかと自分の答えに落ち込みます。
正直、自分にとってその時の出来事が「特別」とか「運命」って気づくことって、大人にならないとわからないと思います。
私自身、社会人になって、学生の頃の出来事が今を作っているということに気づくことが多いです。
「あの出来事があったから今がある」というのはその時だと普通わからないと思います。
だからこそ、人生は回り道するものとか言われていますし(飛躍しすぎですかね…)
というか小雪の場合は小夏に対する感情をとりあえず話してみればこの辺解決するんじゃないかと思うんですけどね。
小雪自身、小夏をどう思っているのか自分でうまく表せない感じなので仕方ないかもしれませんが。
この後の花火のお互い顔を見たときに視線が合わないというのが今の関係性を表しています。
これがいつか視線が重なる様になっていくといいなと思います。
小夏が部活に来なくてダメな小雪
次は、小夏が父親の見送りのため、久しぶりに一人になった場面です。
この事実を知るまでの小夏が来なくて明らかに落ち込む小雪が可愛かったです。
しかも、この事実を知った瞬間に、『大丈夫じゃない』と口から漏れ出ています。
もう小夏のこと大好きじゃないですか。
自分でだめかもしれんって言ってしまっています。
学校行く前から小夏のこと考えて変な声漏れてますし、部活中もほぼずっと小夏のこと考えてますし…。
改めて、小雪が小夏のことをかなり意識しているということを感じます。
というかどちらも結構お互いのこと重く意識してます。
それなのになぜすれ違うのかとも思いますが…。
これが「言葉にしていない」ということなのかなと思います。
いつもより可愛いよりの小雪が多くて面白かったです。
気持ちがすれ違う小雪と小夏
最後は、文化祭でハマチショーをすることになった小夏と、クラスメイトから頼られて断れなくなった小雪とのすれ違いです。
この子たちホントすれ違ってばっかりな気がする…。
水族館部、そして小雪に力になりたいと一人で頑張ろうとする小夏。
一方、小夏の力になりたいのに手伝えなくて悶々とする小雪。
小夏も小雪の力になりたいという気持ちはわかりますけど、むしろそれを前面に主張したほうがうまく伝わる気がしました。
まあ、多分直接言っても『そんなに頑張らなくていい』とかズレた答え帰ってきそうな気もしますが。
あと、小雪がミシンを使っていて、色々できるんだなということを改めて感じました。
性格良くて、色々できるならそりゃ信頼されるし、頼りにされるよなと思いました。
『私…何やってるんだろう…』
『熱帯魚は雪に焦がれる』3巻より引用
クラスの出し物の手伝いをしているときに出たこの言葉は、うまく伝えられなかったり、結局流されている自分への自己嫌悪だと思いました。
このすれ違いはすぐに解消することができて本当に良かったです。
このときの違う意味で2人とも安心しきっている顔が優しくて、最後の流れまで含めて好きです。
おわりに
ということで、「熱帯魚は雪に焦がれる」3巻の紹介・感想でした。
「3歩進んで2歩下がる」を続けているように、ジリジリ近づいている感じの2人ですね。
それでも、お互いがお互いを大切な人と思っているということが伝わってきてとてもいいですね。
今回は楓もいい動きをしていてとても良かったです。
2人とも自分から行動するタイプじゃないので、楓がつなぐ役割のようになものを果たしていてよかったです。
これからは楓ももっと絡んできそうなので、更に楽しみです。
あとがき
だんだんとちょい前の漫画を紹介するブログみたいになり始めてますね。
紹介をするという意味では間違いないですが、もっと最近のもののすぐに紹介できるように頑張りたいです。
さて、今回の印象に残ったイラストは、電子特別版についているおまけイラストを紹介します。
2018年4月4日更新分で掲載している、小雪と小夏のミニキャラが3つ並んでいるイラストです。
こんなテンション高い小夏本編で出たことあったかな?と思うくらいテンション高めで可愛いです。
それを横で見ている小雪。小雪ならこういう事する。
暗い作品ではないのですが、ここまでテンション高いのは基本無いので、こういう場面がもっと本編でも見られたらいいなと思いました。
それではまた次の作品で。
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