
はじめに
こんにちは、トビです。
今回紹介する作品はネコ太郎先生の「限界OLさんは悪役令嬢さまに仕えたい」2巻です。
表紙のダイアナとナトリに目が奪われます。
ナトリが周りの人たちに色んな影響を与えていましたね。
主要人物全員を堕とす勢いで見ていて面白かったです。
表紙はダイアナですが、ラストのナトリとラピスとの関係が尊すぎました。
見開きの威力が強すぎる…。
その一方、物語の端々に出る不穏さが甘々なだけではないことを感じます。
シナリオと似て非なる道を進んでいるなか、登場人物たちがどんな選択をするのか、先がさらに楽しみです。
個人的に印象に残った場面
- ガチギレのダイアナ(第6話)
- グランとダイアナの喧嘩(第8話)
- 目が見開きっぱなしのラピス(第11話)
- ナトリを抱き寄せるラピス(第11話)
今回は、印象に残った場面から感想を書いていきたいと思います。
作品名 | 限界OLさんは悪役令嬢さまに仕えたい 2 |
作者 | ネコ太郎 |
発売日 | 2023年9月27日 |
定価 | 726円(税込) |
発行 | 株式会社秋田書店(ヤングチャンピオン) |
あらすじ
自分がしていたゲーム『Fairy tale・of・jewels』の世界に召喚された元OL・ナトリ。
ゲーム内の悪役令嬢・ラピスの召喚獣(兼秘書)として、ラピスの結末を変えるために奔走していた。
しかし、結果的にシナリオの展開の通りに動いてしまい…。
そんなことを知らないゲームの正ヒロイン・ダイアナは、ナトリのために手伝ったり、特訓を頑張っていた。
そんな彼女がナトリを思う感情は…。
そして、そんなナトリの主人(兼雇用主)のラピスも、ナトリに対する気持ちに変化が起きており…。
やりがいキュンが止まらない!異世界ファンタジー第2巻。
感想
ガチギレのダイアナ
印象に残った場面、最初は第6話よりガチギレしたダイアナです。
『大切な人』であるナトリが傷つけられたため、その犯人である先輩たちに切れている場面ですが、表情だけで尋常じゃない怒りが伝わってきました。
騒ぐような怒り方ではなく、氷のように冷めた怒りで、少し前までナトリに対してデレデレだった人とは別人のようでした。
ナトリと2人だった時は犬のような表情をしていたり、ほっぺたを触らせていて、「The・ヒロイン」って感じだったので、表情の付け方すごいなと思いました。
ナトリの回想で、ゲームでの同じような状況が出ていますが、それと比較しても感情が全く違いましたね。
結構露骨に出ていましたけど、ナトリのこと好きすぎじゃないですかね。
というか、段々と狂犬化しているような気もしますが…。
本来のシナリオだったらラピスと敵対するルートになりますが、ナトリがいる中で、どうなっていくのか、楽しみです。
グランとダイアナの喧嘩
2番目は第8話よりグランとダイアナの喧嘩してる場面です。
喧嘩、というより罵りあいに近いですが。
王族であるグランは、王としての自分の適性が無いことに悩みながらも、王となるために努力をしていました。
そのことをナトリに話していたところ、戻ってきたダイアナがバッサリと言い切ります。
『殿下が悩んでも悩まなくても
勝手に幸せに暮らしますよ
庶民はしぶといんですから』
「限界OLさんは悪役令嬢さまに仕えたい 2巻』
このセリフ、元のゲームでも使われているセリフですが、今回の状況と全くことなります。
このセリフを言われたグランはダイアナに切れて言い合いの喧嘩になります。
ゲームではいずれ恋人になるような2人ですが、この世界ではナトリやラピス絡みで喧嘩しがちです。
というか、ダイアナが全方向に吠えすぎというのもありますが。
完全にナトリの狂犬になり始めてる。
ただ、ナトリはこの2人の言い合いをみてハラハラはしていますが、ゲームよりも仲がいいように見えています。
仲がいいかどうかはともかく、グランは王族としてラピスぐらいしか素で話せる人は少なかったと思います。
さらに、年相応に言い合える人はさらに少なかったと思います。
そんな中突っかかってくるダイアナは、色んな意味で自分が素になれるいい存在になっているのではないでしょうか。
まあ、お互いに好きになるかどうかはなんとも言えませんが。
ダイアナはもうナトリしか見えていない感じですし…。
若干好きな場面と離れますが、グランが自分のことについて話す場面、多分ゲームでダイアナに話していた内容だと思います。
その場面を図らずもナトリが回収していると思いました。
しかも、それに対してゲームではダイアナがしていたような、寄り添う言葉をかけています。
そうなると、グランの矢印もナトリにいくかも…。
ラピスとの関係性を『愛い』と感じているから無いとは思いますけどね。
グランは空気の読める人だと信じています。
目が見開きっぱなしのラピス
次の場面は、第11話より、目が見開きっぱなしになっているラピスです。
辺境領の鉱山視察に行くことになったラピスとナトリ。
そこでナトリが、そこの辺境伯令息のルビウスと話しているときのラピスが、あまり見ないような目をしていて面白かったです。
実質1ページ同じような顔をしていました。
ナトリ本人としては、ゲームに直接関わりのない人物ということもあり、何を話しても特に問題ないと思って話しています。
多分、ラピスと話す時以上に饒舌に話していて、楽しそうに見えたんでしょうね。
にしても余裕が無い目つき過ぎませんかね。
そのままルビウスをさすんじゃないかと若干ヒヤヒヤしました。(そんなことは無いと思いますが。)
なかなか見られないラピスの表情が面白かったです。
ナトリを抱き寄せるラピス(第11話)(ネタバレ注意)
最後は最大の見所でもあり、ネタバレになりますので気にされる方は飛ばしてください。
ラストは11話より、ナトリを自分に抱き寄せるラピスです。
ナトリが自分のラピスに対する思いを告白し、ラピスが自分から行くのではなく、ナトリを寄せるという見ているだけで尊い場面です。
この時、ナトリはラピスの「庶民粛清計画」を知っていることを話します。
最初に予知できるといったことが、ここ一番で大きく発揮された感じがします。
最初はでまかせで言ったことが、ラピスに寄り添うきっかけになったというのは話の繋げ方がうまいと思いました。
その時のラピスの反応も、良かったです。
自分にとって大きい存在となっていたナトリに対して、離れないといけないと思っていたときにこの告白です。
自分のことをここまでわかっていてなお、付き従いたいというナトリに、「その時まで」と一緒にいたいと望んだ場面は最高でした。
自分が主人だからということから、自分は動かず、ナトリを抱き寄せるという流れになったのも良かったです。
2巻でナトリの告白をしたのは、最後まで話さないと思っていたので、正直驚きました。
この時点でダイアナがすでに負け確になってしまったのでは…
この告白がいい方に行くか、悪い方に行くか。
正直少し怖い気もします。
1巻の最初の決闘の際、ナトリはダイアナに傷をつけられています。
そしてナトリの言った「ダイアナが傷つけた相手が悪になる」ということ。
そして、今回のことを考えると、最悪、ラピスの罪をダイアナが被って「ゲーム的に」ハッピーエンドみたいな流れもあり得るかなと思いました。
これまでナトリはあくまで裏方だったということ、そして前の話の『主役になれる人が求められる』が悪く考えると繋がるように思えてしまいます。
さすがにそこまで鬱な展開にはならないとは思うんですけどね…。
ハッピーエンドを信じて待ちたいですね!
おわりに
ということで「あくつか」2巻の紹介・感想でした。
密度も濃度も高い巻となっていました。
2巻のラストのせいで最終回が近い説が出ていましたね。
先生がすぐに否定していましたが。
これからも長く楽しみたいです。
というか、ここからダイアナが逆転する未来はあるのか…?
そこも注目していきたいです。
それではまた次の作品で。
あとがき
改めて読んでいるとこの世界の年齢感とか色々バグってきます。
「ラピス様本当に15歳なんですか?」
「そしてナトリさんは大体25歳くらい?嘘ですよね?」
みたいなことがぐるぐるしています。
年相応なのがダイアナぐらいしかいない…(グランも王族なので大人びていますし)
それはさておき、印象に残ったイラストについて。
今回紹介するのは第10話のイラストになります。
ラピスとナトリの2ショットです。
メロンブックスの有償特典のアクリルスタンドのイラストです。
ラピスとナトリの服装も最高ですけど、ラピスがナトリの頭を肩に寄せている図、尊いです。
というか本当にラピス15歳…?
貫禄がすご過ぎませんかね
まあ、ナトリが年齢に対してかわいいというのもあると思いますが。
こんな関係を延々見ていたいです。